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(回答先: 中東和平会議、アラブがイスラエル牽制の動き 「毎日新聞」 投稿者 ほくめん 日時 2002 年 5 月 05 日 23:27:29)
国連がパレスチナ・ジェニン虐殺事件に調査団を送らないとした事で、パレスチナとアラブ圏の反発が深刻化しているね。イギリスのBBCのように、虐殺は起きていないと報道している機関も出てきているしね。その根拠にされているのが、ヒューマンライツ・ウォッチ報告だ。
しかし、この報告では戦争犯罪の証拠があるとされているのだね。虐殺があったのは、証人の証言から明らかだから、BBC報道は嘘をついているのだね。国営放送ならではの欺瞞報道が進められていると言える。その理由は、イギリスのブレア政権がBBC報道を操作しているからなのだがね。
しかし、こうでなくては、国営放送とは言えないだろうね。戦争を開始するに当っては、欺瞞報道を司るこの手の悪辣な報道機関は、無くてはならないのだ。つまり、虐殺事件を否定するBBCの欺瞞報道は、「文明諸国」軍が進めるアラブ侵略政策の一つの転換点を示していると言えるだろうね。その目的は、アメリカとその衛星国の「文明諸国」軍がアラブ圏を侵略しやすくする事だ。
これは、イギリス労働党とブレア政権がブッシュ政権の突撃隊となった事の証拠でもある。こうして旗幟を鮮明にした事は、ブレア首相と労働党の命運を分ける事になるだろうね。イギリス世論はBBC報道には同調していないから、BBCとそれを操作するブレア政権は、ジェニン虐殺事件をめぐりイギリス国民と正面から対決する事になりかねないのだね。
そして、国連がジェニンに調査団すら送る事ができない事が判明した事が原因で、ニューヨークを中心にした世界政治にも転換点が訪れることになるようだね。イスラエル軍が公然と進めた大量殺戮作戦がジェニンの虐殺事件を引き起こしたのは、言うまでも無い事なのだからね。しかし、国連にはその調査すらできない。その地位低下情況が問題なのだね。ニューヨークの国連も、設立50年にして解体の情況にあると言えるようでね。
1990年の湾岸危機から、アメリカは世界の「唯一の超大国」として国連をも牛耳る政策を開始したね。それが国連の事実上の解体を意味していた事も、言うまでも無い。しかし、国連解体がアメリカの国際政治を利するかどうかは疑問だったはずだね。
第二次大戦後に、アメリカが国連のホスト国となり、そのおかげでヨーロッパ中心の国際政治を自国中心に転換できたという事は言うまでも無い。それが、ジュネーブからニューヨークに国際連合の中心を移転する事の意義だったのだね。
そして、国連はアメリカの領土に本部を置くことになった。それが、アメリカの国際的地位を高め、20世紀終わりまでそれを象徴していたのだね。それは、ダブヤもパウエルも知っているはずの事なのだがね。
しかし、今や国連も「空洞化」している。イスラエルとアメリカが反対しただけで、軍による虐殺事件の調査団を派遣する事すら不可能になっている。それが、空洞化という事なのだね。
ニューヨークの金融センターで高層ビルに大型旅客機が激突してビル崩壊をさせた事は、国際政治のセンターであるニューヨーク国連本部が同様の標的になったも同じだったね。その衝撃が、国連がアメリカにアフガン侵攻の免罪符を与えたとも言える。しかし、国連には免罪符を与える以上の力があったとも言えないのだね。国連は、10年以上前から空洞化を進めてきたのだからね。
もっとも、国連が空洞化し、文字通り形骸化してしまうと、国連にも「NY」にも特段の存在価値は無くなる。形骸化、空洞化で利用しやすくなるのと同時に、権威も無くなるからね。しかし、どうやら、アメリカはそこのところを正確に計算していなかったようだね。
2002年4月に国連自らがジェニン虐殺事件の調査を拒否した事は、「NY国連」が自己を解体する事でもあったね。それは、「NY」が金融のみならず国連の中心都市であり、アメリカが国際政治の中心であった時代を終焉させる事になる。この事に何の危機感を覚えていないのが、アメリカの政治家であり外交官だが、それはアメリカの衛星国でも同じだろうね。
しかし、国際政治の中心をジュネーブからNYに奪い、ヨーロッパからアメリカに奪ったのは、他ならぬアメリカとその衛星国だったはずなのだがね。ジュネーブに起きた事は、ニューヨークにも起きるという事を理解していないのだ。やはり、彼らは、何も判っていなかったのだね。
国際政治の中心を自国が提供できるか否かは、国際的地位を決定する重要な問題だね。これは、言うまでも無い事のはずだ。しかし、アメリカ合衆国とその衛星国は、国際政治の中心であり世界の中心であったはずの「NY」を単なる大都市にしてしまう失敗を犯したね。これは、古代帝国で首都の神殿を解体した事にも匹敵する問題だから、これに優る愚策は無かったと言える。空洞化した国連には世界政治で号令をする権威が無いから、アメリカと衛星国にとっては国連も利用価値が無くなってしまうと言える。それは、悪辣な外交的陰謀がバックファイアしたという事だろうね。
ようやく、春の訪れと共に、アフガニスタンのゲリラ戦争も活発化する兆しがある。アメリカとイギリスの陸軍は、アフガンゲリラとの戦争激化に対処しなければならない。
これは、アメリカとその衛星国が仕組んで始めた原油目当ての戦争だから、アメリカと衛星国が自分で解決しなければならないのだね。しかし、それは難しい。ソ連の運命のように、アメリカと衛星国がアフガン戦争で自滅する可能性もある。それは、冷戦終結の後に問題化した東西の共倒れ問題でもあるね。古今東西を問わず、驕慢な政治権力は自滅するのだがね。
またダブヤ政権は、イラクに親米政権を樹立しない限り枕を高くして眠る事はできないと考えているから、イラク侵攻も進めなければならない。そのためには、アラブ圏の反米志向を解決する外交も進めなければならない。しかし、ジェニン虐殺事件の調査もできない以上、これも困難なのだね。
そしてアメリカは、長期戦争を遂行するためにもアメリカ経済が消費低迷問題を抱えている経済問題を解決しなければならない。特に、日本経済を立て直して、安い商品でアメリカ大衆を支援できるようにさせなければならない。しかし、日本は社会も政治も構造的に疲弊していて、どんな改革も数年ではできないのだね。となると、アメリカ経済の先行き不透明も解決できそうに無い。
そして、エンロンゲートやタイワンゲートや対中南米政策の失敗を追及されている問題もある。これを何とかしなければ、ダブヤと政府高官は辞任するか刑務所に入る事になりかねず、どちらにしてもダブヤ政権と連邦最高裁の独裁政治は崩壊する事になる。しかし、政府と議会の関係が冷え切っているアメリカ国内で、この疑惑事件の追及を逃れる手立ては無いのだね。
こういう内憂外患は、アメリカと衛星国が自分で招いた危機だ。だから、それは自分で解決するしかない。だが、それは日に日に不可能になって行く。やがて、権力をもてあそんだ権力者たちは、驕慢のつけを払わねばならないだろう。