【エルサレム28日=平野真一】
ドバイからの報道によると、アラブ首 長国連邦(UAE)訪問中のムーサ・アラブ連盟事務局長は27日、記者団に対し、米国がイスラエル支持一辺倒の姿勢を改めなければ、アラブ産油国が石油戦略を発動することもあり得ると警告した。
事務局長は、イスラエルにパレスチナ自治区侵攻停止の強い圧力を加えようとしない米国の姿勢に、アラブ諸国は「屈辱感と無力感を抱いている」と指摘。「米国がこうした姿勢を改めないなら、あらゆる対抗 手段があり得る。石油(戦略)も選択肢に含まれる」と述べた。
アラブ産油国では、すでにイラクが今月8日から30日間、原油輸出 を停止しているが、世界最大の産油国サウジアラビアを始めペルシャ 湾岸アラブ産油国は同調しない方針を明らかにしている。このため、 事務局長の発言は現段階では現実性はないものの、アラブ世界で反 米世論がさらに高まれば、各国が何らかの対抗措置を検討せざるを得ない状況に追い込まれる可能性もある。
(4月28日08:58)