国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(本部・ロンドン)は22日、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ジェニンでイスラエル軍が非戦闘員多数を殺傷し、戦争犯罪に関与した可能性があるとする調査結果を公表した。その上で、国連が設けた旧ユーゴスラビア戦犯法廷の例にならい、真相を解明する必要があると訴えた。
アムネスティに派遣され、先週現地入りした英ダンディ大学のデリク・パウンダー教授(解剖学)は記者会見で、「イスラエル軍が民間人も狙って攻撃した証拠がある」と述べた。ジェニンの病院へ運び込まれた遺体を見たところ、サンダル履きの52歳の男性が胸を撃たれ死亡するなど、明らかに武装組織と無関係な犠牲者が見られたという。病院に置かれた21遺体の中には、女性3人も含まれていた。
同教授らは「攻撃の規模から見て、発見された死体が少なすぎる。特に、負傷した民間人の所在をイスラエル当局は明らかにすべきだ」と語った。また、解剖学的な所見を積み重ねて犠牲者の死因を解明し、国際法廷で責任を追及する可能性を検討するよう提唱した。(00:09)