04/21 08:58 カトリック神父相次ぎ追放 ロシア、法王庁が批判 外信21
【モスクワ21日共同】ロシアに住んで布教していたカトリック
教会の外国人神父二人が二十一日までに相次いで事実上の国外追放
措置を受け、ローマ法王庁が国家による宗教圧迫として批判声明を
出す騒ぎに発展した。
ロシア憲法は信教の自由を保障しているが、カトリック教会の勢
力拡大を恐れるロシア正教会の意向にロシア政府が配慮した可能性
が高い。正教会がローマ法王の訪ロを拒否して冷え込んだ東西教会
の関係はさらに亀裂を深めそうだ。
ロシア当局は四月、シベリアのイルクーツクで十二年間布教して
きたイタリア人神父が、いったん海外に出て戻った際、モスクワの
空港で入国を拒否。今月十九日には、一九九八年からロシアにいる
ポーランド人神父の再入国も同様に拒んだ。いずれも数次旅券の有
効期間を残していた。
入国拒否の理由は公式に説明されていないが、国境警備当局者は
二十日、ロシアのNTV放送に「国家の安全保障を脅かす恐れがあ
る人物は入国拒否の対象」と語った。
ロシア政府はことし二月には、カトリック教会がモスクワやイル
クーツクなどに司教区を新設する構想を発表した際、外務省が批判
声明を出した。今回は実力行使に踏み切った。
(了) 020421 0858
[2002-04-21-08:58]