(回答先: ミラノ小型機衝突(新聞総合スレッド1) 投稿者 えーてる 日時 2002 年 4 月 19 日 11:44:53)
【ミラノ大木俊治】「ドーン」。巨大ビルが地震のように前後に揺れたかと思うと、高層階から炎が噴き出した。ビルから無数のガラス片や、おびただしい書類、家具が雨のように地面に降り注ぐ。倒壊を恐れたのか、血まみれの男性がビルから全速力で走り去った。「まるでニューヨークのテロのようだ」。イタリア・ミラノで18日起きた小型機ビル衝突事故は、米同時多発テロの衝撃を再びよみがえらせた。
数百メートル離れた駅から衝突を目撃したというホームレスの男性(50)は「大きなプロペラ音に空を見上げると、赤と白の小型機が見えた。その2秒後、ドーンと大きな音がしてビルに突っ込み、炎が上がった」と恐怖の瞬間を青ざめた表情で話す。他の目撃者も「爆弾がさく裂するような音がして、地面も地震のように揺れた。ガラス片などが降ってきて慌てて逃げた」とこわばった表情を崩さない。
「衝撃音にオフィスにいた全員が窓に駆け寄った。同時テロと同じだと思い、慌てて階段を駆け下りた」とビル8階で働いていた男性は話す。男性は、10人前後の男女が衣服を血まみれにし、逃げ出すのを目撃したという。
事故直後、ビル近くの道路に遺体が転がっていたのが目撃された。死亡した女性の1人はビルの上層階から落ちた、という。
衝突事故は午後6時前のラッシュアワーの真っ最中に発生した。付近の通りは帰宅中のサラリーマンなど多数が歩いており、突然の衝撃音と、落下物に多くの市民が逃げ惑った。
警察はテロの可能性もあるとみて事故直後から現場付近を厳重に封鎖。19日午前0時(日本時間午前7時)を過ぎても、封鎖は解かれず、100人近い見物人が、現場を遠巻きに見守った。救急隊員も引き揚げず、新たなけが人に対処するため、緊張した表情で待機する。隊員の1人は「救出作業はとりあえず終わったが、これから犬を連れて上にあがり、まだ中に誰か閉じ込められていないか確かめる」と話す。
小型機が激突したビルは、ミラノ中央駅から数百メートルにあり、周囲は銀行や企業ビルの並ぶオフィス街。幅10メートルほどの道路をはさんで低いビルがあり、一歩間違えば大惨事になるところだった。
付近は粉々に割れたガラスが散乱。窓から白い脱出シュートが垂れ下がっているのがぼんやり見える。まだ機体はビルの中にめり込んだままというがよく見えない。
近くのコンサルタント会社に勤務するジョバンニ・ディスタンテさん(30)は「ここはミラノのど真ん中。けが人も多かったが、ニューヨークのような大惨事にならなくてよかった」と胸をなで下ろした。
[毎日新聞4月19日] ( 2002-04-19-13:55 )