【カイロ=松尾博文】
パレスチナ解放機構(PLO)でアラファト議長に次ぐ地位にあるアッバス事務局長は16日夜、「パウエル米国務長官の調停は何の成果ももたらさなかった」と批判、イスラエル軍が完全撤退しない限り、停戦合意はないとのパレスチナ側の立場を改めて強調した。
国務長官は17日にアラファト自治政府議長と再度会談し、その後帰国する予定。同長官は16日、自治政府との交渉は「前進している」との認識を示した。しかし米AP通信は同日夜、米国と自治政府による共同声明案の作成作業が難航している報じた。
また、イスラエルのシャロン首相は同日夜のテレビインタビューで、国務長官との会談で提案した中東和平会議が6月にも米国で開かれるとの見通しを述べた。その際には同首相がイスラエル代表団を率いると言明した。