(回答先: ベネズエラ:チャベス氏が政権復帰へ 「クーデター」は失敗[毎日新聞4月14日] ( 2002-04-14-19:21 ) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 4 月 14 日 21:38:44)
【カラカス藤原章生】
南米ベネズエラで、国軍首脳による事実上のクーデターで身柄を拘束されていたウゴ・チャベス大統領は14日未明(日本時間同日午後)、拘束先のカリブ海のラオルチラ島から首都カラカスの大統領官邸に戻り、大統領への「復帰」を宣言した。反大統領派の軍首脳らは身柄を拘束された。クーデターは失敗した形で、2日間続いた政変はひとまず収束する見通しとなった。
ベネズエラでは12日、チャベス氏の社会主義的な経済政策に批判的だった軍首脳部が同氏の身柄を拘束、事実上のクーデターを実行した。軍部は経済団体会長で元軍人のペドロ・カルモナ氏を暫定大統領に就任させた。しかし、国内のチャベス支持者の反発に直面した上、中南米諸国から「憲法上の手続きが守られていない」との批判が相次ぎ、カルモナ氏はわずか1日で辞任。その後、カベジョ副大統領が暫定的に権力を掌握し、13日夜に「すぐにチャベス氏が大統領として帰ってくる」と「復帰」を宣言していた。
14日未明、チャベス氏が大統領官邸にヘリコプターで到着すると官邸周辺で花火が上がり、詰めかけた数千人の支持者の歓声が上がった。チャベス氏は記者会見で「私は辞任していない。(軍首脳の)辞任要請には応じておらず、大統領職は離れていない」と明言。バスケス陸軍司令官が12日夜にテレビで「大統領は辞任した」と演説したことについて「虚偽の発表だった」と非難した。しかし、クーデターを実行した一部軍首脳やカルモナ氏らについて「報復はしない」と述べた。
一連の政変でカラカスではチャベス支持派と反対派の衝突など騒乱が相次ぎ、地元消防当局によると41人が死亡、約300人が負傷した。一方、チャベス氏が役員人事に介入したことからストが始まり、数週間に渡って操業停止していた国営ベネズエラ石油(PDVSA)は近く通常業務を再開する見通しだ。
【ワシントン中島哲夫】
ベネズエラの政変で失脚したとみられたチャベス大統領が復帰したことについて、米ホワイトハウスは14日、報道官声明を発表し、「ベネズエラ国民は民主主義と改革を望むという明確なメッセージを送り、チャベス政権はこれに応える機会を得た」「チャベス大統領には平和を守り、人権と民主的自由を保護し、国民的対話に必要な条件を整える責務がある」などと注文をつけた。
ライス米大統領補佐官も同日、NBCテレビの番組で、チャベス大統領に民主的な政権運営を求め、「全世界が見守っている」と指摘。これまでのチャベス政権は「国民に対して横暴」であり、「長い間、間違った方向に動いてきた」と露骨に批判した。
米政府はチャベス政権が崩壊したとみられた12日、政変を歓迎する姿勢を示唆していた。