(回答先: 謀略論再考 投稿者 ビルダーバーグ 日時 2002 年 3 月 17 日 15:33:19)
ビルダーバーグさん、こんにちわ。
文書中で使っている「国際金融資本」という言葉は、一握りの「ネットワーク国際金融家」だと考えてください。
> @オサマビンラディンはCIAのエージェント説
米国(CIA)主導のアフガニスタン対ソ戦時代は、ビンラディン氏の思いは別としてエージェントである。
問題は、湾岸戦争&サウジアラビア米軍基地公表の91年以降のビンラディン氏の動きが、“自主的なもの”か、“CIAの意向を受けたもの”かということになると思う。
ビンラディン氏が「イスラムの聖地を守護するサウジアラビアにある異教徒の軍事基地を排除する」ことを第一義的な闘争課題にするのなら、そのような政策を認めたサウド王室を非難して政策変更させるか、政策変更しない限りサウド王室の支配を覆さなければならない。しかし、スーダンの客人となり、アフガニスタンの客人となるという推移を見ていると、自己保身と組織維持に走って、闘争課題にまじめに立ち向かっているとは思えない。
ビンラディン氏は、9・11空爆テロについて、関与を否定し、CIAやモサドの犯行説を匂わせているが、ビンラディン氏による犯行と断定され、それを根拠にした「アフガニスタン攻撃」が現実性を帯びてきても、アフガニスタンからの出国(タリバン政権からも要請あり)せず、あのようなアフガニスタン国民の犠牲と異教徒軍隊の駐留を招いた。
これを好意的に解釈すれば、「少々の犠牲はやむを得ないものとし、敵を引っ張り込んで叩く戦術」と言えなくもないが、誤った戦術だと考える。
アルカイダのなかに多数のCIA(英国やイスラエルも)エージェントが入り込んでいることは間違いなく、戦術家とは思えないビンラディン氏が、そのようなエージェント達に唆されていることも考えられる。
ビランディン氏が、CIAのエージェントであることは否定しきれないが、エージェントであるとも言い切れないと思っている。
>クリントン時代の、「イエメン・アタック」への報復としてのスーダン、アフガンへ
>のクルージングミサイル攻撃は何なのか。うまい説明が見つからない。せいぜい「長
>期的な反米行動を続けることで、イスラミストの危険性を、米国民に認識させ、反テ
>ロ戦争の正当性を米国民に納得させるため」と言う程度のロジックしか、思いつかな
>い。米権力者は10年以上も前から、「反テロ戦争開始のための”布石”」をオサマ
>に打たせていたのか。そして、反テロ戦争は、軍拡による米国の産軍複合体の発展の
>ために企画れたのか。ちょっと無理な想定となる。
長期的な「反イスラム戦争」はとりあえず別にして、今回の「対テロ戦争」への誘導は、1983年4月の“ベイルート米大使館爆破テロ“から始まるものだと考えている。
1983年10月海兵隊司令部爆破事件(米兵241名死亡)→1984年9月ベイルート米大使館別館爆破事件と矢継ぎ早に米国施設を標的にしたテロ事件が発生した。
この意味で、「反テロ戦争」は20年も前から企図されたものである。
米国民に対する云々といったものではなく、広く世界(とりわけ文明諸国)にイスラム(過激派)の脅威と危険性を浸透させていくことが目的である。
文明諸国民に、「テロの発生→イスラム過激派だろう」から、「テロの発生→イスラム過激派→壊滅作戦は当然」という意識を持たせる狙いである。
産軍複合体は、目に見えやすいものであるが、その拡大は国際金融資本の利益であり、その存在は国際金融資本が進める国際戦略の手段である。
産軍複合体の拡大という自己目的ではない。あくまでも、文明諸国=国際金融資本の“論理”を世界で普遍化するための手段であり過程である。
>A9.11アタックは全て米の秘密部隊の犯行説
9・11空爆テロは、直接の実行部隊はともかく、秘密部隊ではなく、国防総省・CIA・FBIという公然の権力機構がフルサポートした犯行である。
それなくして、邪魔されることなく無事に敢行することも、犯行後も追及されないということは無理である。
>ヒズボラでも、イラク情報部の犯行でもよかったのではないか。
ヒズボラは、現にイスラエル軍が何度も攻撃を仕掛けてきたように、別に9・11の犯行者ではなくてもいつでも叩くことができる。
イラクにしても、湾岸戦争でも叩いたし、その後も数度にわたって空爆も仕掛けているし、今も、9・11とは関係なしに攻撃を仕掛けようとしている。
しかし、ヒズボラやイラク情報部であれば、ヒズボラ(レバノン)やイラクを攻撃することはできても、アフガニスタンを攻撃することはできない。
タリバン政権は、建前だけのサウド王室とは違って、本音の「イスラム国家」をめざした。タリバン政権的な動きが、イスラム基盤国家に広がっていくことこそが最大の問題なのである。国際金融資本にとっては、イラクやリビアのような近代国家はたいした問題ではない。
>米国の”やらせ”だとしてーたら、アルカイダを実行グループに仕立て上げた動機が
>うまく説明できない。オサマがCIAのエージェントで、何らかの取引きと引き替え
>に、アルカイダを実行犯グループとして名前をだすことをOKしていた、といった想
>定しか思い浮かばない。
アルカイダは、米国政権が多数の犠牲者まで出しながら数年かけて“有名”にしてきたイスラム過激派組織であり、アフガニスタンの客人である。だからこそ、9・11をアルカイダの犯行だとしたのである。
>パイプライン利権や天然ガス、中央アジアの石油利権狙い、ということか。そう主張
>している人もかなりいるようだが、エネルギー利権をケットするためにしては”仕掛
>け”が大き過ぎ、リスクも大き過ぎるような気がする。大金でタリバンを買収すれば
>済む話ではないのだろうか。まあ、タリバンとの交渉が行き詰まってバクチを売った
>のかも知れないが、いまひとつ腑に落ちない。
天然資源やパイプラインの支配は、当然のように目標に含まれているが、それだけであれば、これまでやってきたように、資金と政治力で解決できる話である。
天然資源の支配のみならず、政治体制・経済原則・価値観などの支配まで目論んでいるからこそ、今回のような行動に走ったのである。
>Bアタックはアルカイダの犯行だが、米は事前に攻撃を知っていながら見て見ぬふり
>をした。――一番、あり得るシチュエーションだ。通報者はモサドかも知れない。し
>かし、なぜ「知らんフリ」をしたのか、動機の説明が必要だ。
アルカイダがCIAのエージェントだとしても、東アフリカの米大使館爆破にしろ、9・11空爆テロにしろ、アルカイダごときにできる攻撃ではない。
>陰謀の動機としては@米国を戦時体制にし、「言論の自由」等を潰し、大軍拡を図る
「言論の自由」を潰すという愚かな政策は採らないだろう。実害がない(影響力が知れている)言論は、“ガス抜き”として残したいくらいだろう。
>Aアフガンを米国の属領にし、エネルギー利権をおさえ、中国。ロシア、イラン、バ
キスタン、インドへの軍事的威圧をかける
形式的にはアフガンを属領にすることはないだろう。国際金融資本の意向を反映した政策を採る政権がアフガニスタンを統治すればいいだけである。属領などにして無用な軋轢を生むようなヘマは望まない。
他の国々に対しては、国際金融資本の意向に逆らえば、軍事的威圧をかけるだろう。
パキスタンのムシャラフ政権は、米国の傀儡に近い売国奴政権と考えられるというか、そのために98年にクーデタが認められたというものだろう。
インド国民会議派の凋落(要人暗殺・汚職騒動)とインド人民党の政権奪取にも、国際金融資本の意向が働いていたと思う。
国際金融資本が日本の小泉政権を倒したいと思えば間違いなく倒れるし、ブッシュ政権に対してでさえ、国際金融資本が9・11の件で逮捕しろと言えば逮捕されるし、倒せと指示すれば倒れるものである。
逆に言えば、小泉政権も、ブッシュ政権も、国際金融資本が認めたからこそ政権を握れたのである。
>Bあっしらさんが言うように、ダブヤに米国の現体制を全体主義体制に変換させ、こ
>れに反発する勢力がダブヤ一派を追放する。そして、もっと平和主義的なワンワール
>ド主義者政権を誕生させ、世界を統一する――
ブッシュ政権の最大の役割は、イスラム法国家の打倒であり、敬虔なムスリムから影響力を削ぐことである。
全体主義体制云々は、役割が終わったブッシュ政権が倒れる(任期切れの)ときに喧伝されるだけで、全体主義体制を構築することがブッシュ政権の目標ではない。
“汚れた”ブッシュ政権では、米国自身を始め様々な国から反発を招き、「新世界秩序」を構築することは無理である。
>しかし、こういう構図を動かしているのは誰なのか、国際金融資本なのか、これだけ
>のスケールの”戦略”を動かせるクループがいるのか。(ひょっとしてビルダーバー
>ガー(笑)か)。
これだけのスケールと言っても、南北アメリカ制圧・第一次世界大戦・第二次世界大戦に較べれば小さいものである。第二次世界大戦を生み出し遂行したことを考えれば、たいしたことではない。
ビルダーバーグも含めて、そのような“戦略”=謀略を動かしている諸グループを統轄している(指示を与えている)頂点は、ごく少数の国際金融家しかいない。
(最高支配者は一つの家族である可能性が高いと思うし、根源的な政策を決定しているのは多くても数百名だろうと思っている)
この意味で、文明諸国は、目に見える政治体制とは違って、実態は「超独裁体制」なのである。
※ ビルダーバーグは、実働部隊=指示伝達機構であって、政策決定機構ではない。
>まあ、米国ではなく、モサドが全部を仕切った”自作自演”の可能性もゼロではない
>かも。動機はアラファトとパレスチナ自治領の抹殺だ。しかし、これもバレたら米国
>民の対イスラエル感情が決定的に悪化するし、場合によっては、イスラエルの方が地
>上から抹殺されかねない。
政治的シオニスト及びモサドは、国際金融資本の使い走りでしかない。
また、アラファトとパレスチナ自治区を抹殺するためであれば、9・11空爆テロを行う必要はなく、12・2自爆テロのような謀略を行えば十分である。
政治的シオニストがロシアなどから移民をどんどん引き入れていけば、パレスチナにとどまらず、ヨルダンなどに領域を広げなければ、生存基盤を確保できなくなるだろう。
政治的シオニストは、使い走りでしかないからわかっていないかわかっているのかは知らないが、「新世界秩序」では、イスラエルのような存在は邪魔なものでしかないから、破滅させられることになるだろう。
「新世界秩序」は、平和で安定的な世界であることを前提に、国際金融資本が思う存分利益が上げられる“経済論理”が普遍化していることである。