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Re: ブッシュ政権の「イラク侵攻」はある意味で本気です 投稿者 あっしら 日時 2002 年 3 月 15 日 17:03:40:

(回答先: 米のイラク侵攻は本気か 投稿者 ビルダーバーグ 日時 2002 年 3 月 15 日 13:12:49)


ビルダーバーグさん、こんにちわ。

>昨日の「国家破産8」に載っていた「米国金利の反転と原油価格」は注目のレポート
>です。原油価格と長期金利の動向を分析した純経済学的(イデオロギッシュでない、
>という意味ですが)

あのレポートは、以前「空耳17」にアップした「高金利がインフレを招き、低金利がデフレを招く」ということの一つの証左だと受け止めました。
経済学では、「高金利がインフレを抑え、低金利がデフレを解消する」とまったく反対のことを教えています。そして、経済に関心を持っている多くの人も、そのように考えているようです。

もちろん、イラク攻撃→中東大混乱を予測したものだとも思っています。


以前から何度か書き込みしているように、ブッシュ政権の「イラク攻撃」は、サウジアラビアとイランの政体(イスラム法国家)を破壊するための“入り口”だと考えています。
フセイン大統領とブッシュ政権=国際金融資本は、お互いが敵のふりをしている仲間だとも思っています。(イラクの「対イラン戦争」や「クェート侵攻」も、“出来レース”でしょう)


>しかし、米国に「ニ正面作戦」をやれるだけの力があるのでしょうか。

ブッシュ政権は、「カンダハルの無血明け渡し」で肩すかしを受けた後、アフガニスタンでも正面作戦を採っていません。
“アフガニスタン人皆殺し”はやれないでしょうから、自軍の作戦はだらだらと進め、できればアフガニスタン人同士の殺し合いという状況にもっていきたいのです。

イラクを攻撃するとしても、「正面作戦」ではないでしょう。
イラクは、湾岸戦争時に較べると、1/10ほどの対抗力も持っていないと推測されます。
ブッシュ政権の狙いは、イラク南部のシーア派組織を活用したサウジアラビアへの戦火拡大であり、イラク北部のクルド人組織を活用したイランへの戦火拡大だと思っています。
ブッシュ政権は、策動で中東地域をぐちゃぐちゃにし、その間隙を突いて、イスラム法を基盤にしているサウジアラビアやイランの政権交代(非イスラム法国家)を実現したいのです。


>イラク攻撃は、イランやサウジを中心とした湾岸諸国、さらにはパキスタンあたりに
>どのような影響を与えるか、予測不可能ですし、欧州各国やロシア、中国の出方も読
>みにくい。

イランもサウジアラビアも、ブッシュ政権の意図はそれなりに分かっていますから、イラク攻撃に反対を意志表示しても、米国に軍事的に対抗するという愚は犯しません。
これは、ロシアや中国も同じです。(湾岸戦争では、ロシア(旧ソ連)がなんとか戦争を防ごうとしましたが、コケにされただけで終わりました)

ブッシュ政権の目的に照らせば、イラク攻撃でもっとも効果があるのは、フセイン政権を打倒することです。(フセイン大統領は仲間ですが、役割が終わった“賞味期限切れ”の存在ですから、どこかに亡命でもすることで決着を付けるのでしょう)

フセイン政権を倒すと、雑ぱくに言って、イラクは3分割された状態になると思っています。北部のクルド人地域・中部のスンニ派もしくはバース党地域・南部のシーア派地域です。
そうなると、イラクという国家を新たにどの勢力が支配するのか、はたまた、イラクから独立しようとする動きをめぐって戦いが引き起こされることになるでしょう。

ブッシュ政権が、そのようなぐちゃぐちゃ状態をつくりたいと考えているのは間違いないと思っています。(できるだけ、ムスリム同士の戦い(殺し合い)にもっていきたいのです)

狙いはサウジアラビアやイランにあるわけですが、そうだと公言しないままサウジアラビアやイランに手を突っ込むためには、両国が国境を接しているイラクを混乱状態に陥れるのが近道だと考えているのでしょう。


>まあ、ダブヤには、アーミテージやウォルフォビッツ(2人とも特殊部隊出身の元軍
>人)、ライス、チェイニー、ラムズフェルドの影響以外の、パパの遺恨を晴らしたい、
>という動機も強いのでしょうが、戦国時代や中世でもあるまいし、パパの遺恨で戦争
>をはじめられては、たまったものではありません。


「湾岸戦争」当時は、ブッシュ元大統領がフセイン政権を打倒したなかったのは、イラクの大分裂を避けるための賢明な策かなとも思っていましたが、今になって見れば、まさに現在の状況を創り出すための策だったと思われます。
文明諸国がこぞって敵や悪魔と呼ぶイラクのフセイン大統領がいなくなるという状況は、当時まだ早すぎたのです。フセイン大統領を残すことで、中東に緊張があるかのように煽り、サウジアラビア駐留も続けられたわけです。

10年前から現在が計画されていたと思っています。


>もっとも、泥沼の深みにはまり、政権崩壊が早まる、という”メリット”もあるかも
>知れませんが。

正面戦ではないとはいえ、戦線を拡大すればするほど、より泥沼にはまります。
しかし、政権が崩壊するのは、サウジアラビアやイランの国体が変革された後か、まったくその可能性が見いだせないと判断されたときになるのではと思っています。

そのような「対イスラム戦争」の役割を任せられたのがブッシュ政権だと思っています。

「新世界秩序」=国際金融資本による世界経済支配にとって、利子の取得を禁じるイスラム法は“天敵”なのです。


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