昨日の「国家破産8」に載っていた「米国金利の反転と原油価格」は注目のレポートです。原油価格と長期金利の動向を分析した純経済学的(イデオロギッシュでない、という意味ですが)レポートですが、最近の米国の金利上昇を、ユーゴ空爆時とアナロジーして、上昇の原因を「5月ごろ、米軍がイラク侵攻に踏み切る」とマーケットがみているせいではないか、と分析しています。ジハドニュースにも英軍が大量にクゥエート入りしていることが報じられています。
しかし、米国に「ニ正面作戦」をやれるだけの力があるのでしょうか。イラク攻撃は、イランやサウジを中心とした湾岸諸国、さらにはパキスタンあたりにどのような影響を与えるか、予測不可能ですし、欧州各国やロシア、中国の出方も読みにくい。まあ、ダブヤには、アーミテージやウォルフォビッツ(2人とも特殊部隊出身の元軍人)、ライス、チェイニー、ラムズフェルドの影響以外の、パパの遺恨を晴らしたい、という動機も強いのでしょうが、戦国時代や中世でもあるまいし、パパの遺恨で戦争をはじめられては、たまったものではありません。もっとも、泥沼の深みにはまり、政権崩壊が早まる、という”メリット”もあるかも知れませんが。
それから、「選択」3月号のアフガン、バレスチナ関連の記事は面白い。かってのカシオギを思わせるロシアの「謎の武器商人」のことや、オサマの後継者といわれるテロリストのことなどが詳述されています。「選択」の論調自身ははっきり、米国・イスラエル寄りですが、情報源には、モサドやCIA、フランス諜報機関なども抱えているようで、なかなかの「深層分析」を毎号、展開しています。アフガン・ウォッチャー必見です。