03/04 18:52 死者は約540人に インド暴動、緊張続く 外信52
【ニューデリー4日共同】インド西部グジャラート州で続いてい
たヒンズー教徒らの暴動は四日までに、都市部ではほぼ沈静化した
ものの、周辺部で散発的に襲撃などの発生が伝えられ、現地からの
報道によると、これまでの死者は先月二十七日の列車放火事件の死
者五十八人を含め、約五百四十人に上った。
同州当局は、州内に軍が展開し暴動はおおむね制圧されたとの見
解を示していたが、四日朝には同州北部の町で、イスラム教徒の家
屋に放火しようとしたヒンズー教徒の群衆に警察が発砲、二人が死
亡するなど緊張が続いている。警察当局はこれまでに二千八百人以
上を逮捕した。
州内の一部では外出禁止令が解除されたが、イスラム教徒は襲撃
を恐れて家に閉じこもり、学校が閉鎖状態となっている町も多い。
三日にはウッタルプラデシュ州で警官が暴徒に刺され死亡するな
ど、暴動はグジャラート州以外にも広がり、一部の都市で外出禁止
令が発令された。
アドバニ内相は三日、グジャラート州の中心都市アーメダバード
入りし状況を視察した。政府与党「インド人民党」(BJP)に属
するモディ州首相が列車放火事件当初、ヒンズー教徒側に同情的な
発言をし暴動抑止が遅れたなどと批判されているほか、インド北部
アヨドヤのヒンズー教寺院建設問題でヒンズー教過激派の活動を容
認しイスラム教徒との緊張を招いたと非難されるなど、政府は苦し
い対応を迫られている。
(了) 020304 1852
[2002-03-04-18:52]