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【週末を活用】
学校に週5日制が導入されて半年。週末を利用して地域の教育委員会が主催する、子供たち対象の IT教室が増えてきた。内容もずいぶんバラエティーに富んでいて、なかには、グラフィックスのプログラムを組ませる非常に高度な講座も。去年までとは、かなり様相が変わってきた。(長谷部耕二)
東京都の千代田区教育委員会は先月、システム開発やベンチャー育成などを行っているリナックス・カフェ(平川克美社長)の協力で土曜講習会「ウイークエンド I T フリースクール」を開催した。これが、実に高度なのだ。
コンピューター分野の第一人者、国井利泰・法政大学教授が、以前、学長を務めていた会津大学で行った高校生セミナーを基に中学生向けのプログラムを準備した。
参加下は、区内の中学校で募った一年生十四人と二年生五人。国井教授は「これからはビジュアルなものがコンピューターの主流になる。それは理屈や文字で作るより、体の感覚で作る方が望ましい」と開催の動機を説明する。
講習では「HYPER FUN」という無償ソフトを使用。数式をもとに立体図形を描き出すソフトで、高度な表現が出来る割りには初心者にも使いやすいのが特徴だ。
数式には、習ったことのない三角関数などもでてきて、さすがに、中学生たちも初めのうちは、ちんぷんかんぷん。ところが、大学院生らの指導を受ける内に、自分たちでどんどんプログラムを組んで独創的な立体を作り始めた。指導に当たった金沢工業大 IT研究所の後藤祐一郎研究員(25)は、「数式の難しさを、苦もなく乗り越えて楽しんでいる。ここまで出来るとはおもわなかった」と舌を巻く。
九段中二年の林裕貴樹君(14)は、コウモリのような形状のロケットを完成。「やっているうち、『この数字を入れればこうなる』ということが、どんどん分かってきて、自分でも驚いた」と話す。まさに、習うより慣れろと言うことらしい。
リナックス・カフェの平川社長も、「一度このレベルまで来ておけば、ほかの様々なソフトにも親しみやすい。親子講習やゲーム作りなどもやってみたい」と意欲的だ。
小中学生の土曜パソコン教室は、国が学校へのパソコン配備を進めていることなどを背景に、「正確な数は把握できていないが、かなり広がっているようだ」(文部科学省生涯学習推進課)という。
千代田区の隣の台東区でも、小学四年から中学二年の希望者七十人を対象に、毎週土曜、全二十四回のパソコン塾を開いている。こちらは初歩から始め、ホームページや簡単なアニメの制作まで進む。
全員にプログラムを組ませる千代田区の講習は、かなり高度で全国的に見ても珍しいが、小寺正樹・同区教育委員会教育指導課長は「彼らが学校での情報教育のリーダーになってくれることも期待している」という。
また、国井教授は「土曜が自由に使えるので、講習がやりやすい。私は中学時代、午後はすべて自由と言う先進的な教育を受け、自主的な学習のすばらしさを知った。子供達の才能は無限で、いくらでも伸ばせる」と期待をかける。
パソコンなどのIT機器は、学校教育の場でも、誰もが使って当たり前の文房具のようなものになりはじめた。せっかくの週五日制、自分の子供の好みに合ったIT講座を探してみては道だろう。