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(回答先: 116号事件「平相銀事件と無関係」 兵庫県警が報告書(朝日新聞) 投稿者 新規投稿 70 日時 2002 年 8 月 29 日 05:49:37)
酔醒漫録より
今朝の朝日新聞を見ていなければわからない重要な記事がある。購読している人たちも案外見逃している第2社会面左肩の6段記事。タイトルは「116号事件〈平相銀事件と無関係〉兵庫県警が捜査報告書」というものだ。
「116号事件」とは、正確には警察庁指定116号事件という。1987年5月3日に「赤報隊」によって実行された阪神支局襲撃事件(小尻知博記者が射殺される)を頂点とする一連の朝日新聞襲撃事件を指す。この事件の背景に平和相互銀行(三井住友銀行に吸収合併)スキャンダルがあり、それを取材していた小尻記者が巻き込まれたという報道がなされていた。『新潮45』で2000年に連載され、今年4月に単行本として出版された『「赤報隊」の正体』(新潮社)がそれである。ところが捜査本部は小尻記者がこの問題を取材した形跡はないと断定した。これまで朝日新聞の「116号事件取材班」が確認していたことをようやく捜査当局も追認したのである。
『「赤報隊」の正体』を執筆したのは一橋文哉氏。単行本は『新潮45』での連載に加筆をしたものだ。その帯にはこう書かれている。「惨殺された小尻記者は、とてつもない事実を掴んでいた!」「未解決、真犯人、闇の紳士たち――。今こそ世に問う、一橋文哉、渾身の事件ノンフィクション!」。その核心部分が虚偽だった。一橋氏はこれまでにも「3億円犯人」を追いつめ、世田谷一家殺人事件の実行犯にもインタビューをしたと書いてきた。ところが世田谷一家殺人事件の記事が虚構だとは捜査当局が密かに断定してきたところである。今度はさらに阪神支局襲撃事件の根拠もガセネタだということを当局が明らかにしたのである。http://www.asahi.com/national/feature/K2002082700082.html 『新潮45』のコメントが虚しい。「記事についての説明や見解等を述べるつもりはありません」。本音は何か。ある編集幹部は「一橋さんの記事はファンタジー・ノンフィクションです」と語っている。「ファンタジー」とは「夢のような空想」(『新明解国語辞典』第4版)。なるほど。あの面白さは「空想」だったか。
朝日新聞社116号事件取材班による『新聞社襲撃』(岩波書店)が発売となった。ともに取材したこともある記者たちの15年にわたる熱情の集大成だ。「ジャーナリストを目指す若い人たちにも是非読んでいただきたい」と「あとがき」にある。