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【データ】毎日2時間以上のゲームは大脳活動に影響
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人間らしい感情や創造性をつかさどる大脳の前頭前野の活動が、テレビゲームをす
る時に低下することを、日本大学文理学部の森昭雄教授(脳神経科学)が脳波測定実
験で突き止めた。ゲーム時間が長い人ほど低下の程度が大きく、ゲームをしない時も
活動レベルが回復しないことも分かった。森教授は「ゲーム脳」と名づけ、「情操が
はぐくまれる児童期にはゲームの質や時間に気を配ってほしい」と警告している。
昨年から今年にかけ、6〜29歳の男女240人を対象に実験した。脳波のうち前
頭前野の活発さや緊張度合いを示すベータ波と、安静時によく出るアルファ波の2種
類を調べる電極を額につけてテレビゲームをさせ、その前後の波形の現れ方を調べ
た。ベータ波が健全(活発)な方から、▽ノーマル脳▽ビジュアル(視覚依存)脳▽
半ゲーム脳▽ゲーム脳――に分類した。
ほとんどゲームをしない人は、ベータ波が常にアルファ波よりも強く出て、ゲーム
を始めても2つの波はほとんど変化しなかった(ノーマル脳)。週3〜4日、1回1
〜3時間ゲームをする人は、ゲーム前は2つの波の強さがほぼ同じで、ゲームを始め
ると、ベータ波の活動レベルが極端に下がり、アルファ波を下回った(半ゲーム
脳)。毎日2〜7時間ゲームをする人は、ゲームをしなくてもベータ波は常にゼロに
近く、前頭前野がほとんど働いていないことを示した(ゲーム脳)。
240人の内訳は「半ゲーム脳」がもっとも多く約40%、他の3タイプは10〜
20%ずつだった。
背景について森教授は(1)ゲームでは視覚と運動の神経回路だけが働き、「考え
る」ことが抜け落ちる(2)ゲームを長く続けると、前頭前野の活動低下が慢性化す
る(3)テレビなどの視覚刺激になれた人(ビジュアル脳)は「ゲーム脳」に移行し
やすい、と考察した。また、実験対象者に対する聞き取り調査で、「ゲーム脳」の人
に、「キレやすい」「集中できない」「友達づきあいが苦手」という自覚が多いこと
も判明した。
毎日教育メール 02.07.10 より