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(回答先: Re: 細菌戦争からは逃れられず 投稿者 himaari 日時 2002 年 5 月 29 日 08:28:03)
あな賢し、やっつけるほど強くなる細菌軍団かな・・・・
病原菌はヒトより勤勉で賢い
二〇〇〇年 三月 九日 初版発行
著 者 本田武司
発行所 株式会社三五館
より
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新しい遺伝子を獲得するカ
確かにこれはひとつの耐性菌のでき方であるが、実はもっと巧妙な耐性の獲得機構があ
るのである。
それは、Rプラスミドによる方法である。
一般にプラスミドとは、細菌のもつ染色体DNAとは別の小さな(数千から数十万個程
度の塩基−遺伝子を構成する層小の単位−からなる)環状DNAのことで、自分で複
製が可能であり、その上にいくつかの薬剤耐性法の設計図をはじめとする遺伝子がコード
されている(書かれている)。
たとえば、赤痢菌が一気に二つ以1の薬剤、つまり多剤に耐性を獲得するのが観察され
るが、これはR〈訂軋sどce=抵抗性の意味)プラスミドによるのであって、突然変異では
説明できない。なぜなら、このプラスミドによる薬剤抵抗性は、その薬剤を分解したり、
不活化させるための機能をもった、=疋の大きさのタンパクの設計図(遺伝子)を用意し
なければならず、とても偶然に(つまり、突然変異で)できるものではないからである。
しかも悪いことに、これらのプラスミドは、たとえば大腸菌から赤痢菌という具合に、
耐性を移す機能をもつことである。
多くのプラスミドは、接合といわれる方法で次々と別の菌に、あるいは類似の菌に耐性
に関わる遺伝子が伝達されてしまうのである。この接合には性線毛(セックス・ピリ)が
関与する。この線毛は動物のオスのような働きをし、相手(メス)の細菌を見つけて性線
毛を突き刺し、この線状の管を通して、抗生物質耐性のプラスミドに善かれた設計図をメ
ス側に放出する。これだけで、メス側の菌はたちまち抗生剤耐性になってしまうのである。
細菌がセックスまがいの行動をとるのも驚きだが、抗菌薬(抗生物質)を打ち破るための
設計図を写したフロッピーディスクを、次々と別の菌にコピーさせるような形式で、さま
ざまな細菌が多剤耐性遺伝子の設計図を獲得していく巧妙さを見ると、なんだか胸がドキ
ンとなる。
このようなことを知ると、われわれの化学療法剤の開発のスピード(一つの抗菌薬の開
発に一〇年はかかる)と微生物の耐性遺伝子獲得機構の巧妙さを考えると、その勝敗は目
に見えているといわざるをえない。
この事実は、別の問題を引き起こしつつある。それは、新しい抗生物質の開発から多く
の製薬会社が撤退を始めた、ということである。有効な抗生物質はほとんど発見し尽くさ
れた、あるいはそれに近い状態にあり、研究投資効率がきわめて悪化してしまった。さら
に、莫大な開発費を投資して抗生物質を開発しても、数年で耐性菌が出現してしまっては、
投資額を回収できない恐れが多分にあることを経験してきたからである。企業は、病原菌に白旗″を揚げてしまったのである。
いよいよ、魔法の弾薬〃としてもてはやされてきた抗菌剤に頼り切る感染症治療はこ
のままでよいのであろうか、ということを考えなくてはならなくなってきた。
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企業(製薬会社)は白旗を上げたのだから、他の誰が戦うというのか。企業は医学業界を牛耳っているのであるから他に戦うものなどいないのだ。 本当に「負けた」のである。
しかし、相変わらず抗生物質は作りつづけている誰もが気づかないうちはどんどん売りつづけている。まあ、それをアリタガッテいる御仁にもあきれるが・・・・
ここで考え直さないと・・・と本田氏は語っているが、それが信奉者にはできないんだな。一度信じた道はじごく〜〜〜まで〜〜〜じゃ悲しい話。