04/05 02:00 モバイル利用にも適用拡大 17年ぶりに新指針策定 社会116
共同
パソコンなどVDT(画像表示装置)機器を使った作業の負担か
ら労働者の健康を守る目安として、一九八五年に旧労働省が策定し
た「VDT作業のための労働衛生上の指針」の見直しを進めてきた
厚生労働省の専門家検討会は四日までに、これまで想定していなか
ったノート型や携帯端末などモバイルを使用した作業や在宅ワーカ
ーらにも指針の対象を広げるべきだとする報告書をまとめた。
作業環境の管理や健康管理、労働衛生教育などについても、作業
形態を作業時間や業務内容で従来以上に細かく分類して実施するこ
とを求めており、厚労省はこの報告書を基に近く十七年ぶりに新し
い指針を策定する。
報告書は指針見直しの必要性として、ノート型パソコンやインタ
ーネット、携帯情報端末などの普及によるVDT作業従事者の増大
を指摘。
その上で、作業者の心身の負担を軽減するための見直しのポイン
トとして(1)作業形態の細分化(2)健康診断の対象者を作業の
濃淡にかかわらずVDT作業従事者全体に広げる(3)健康診断で
異常があった場合、新たに産業医ら第三者の専門家を関与させる―
などを挙げた。
作業形態の細分化で報告書は、作業の連続性や時間の長短で四つ
に分けている現行基準を、仕事の内容で「単純入力型」「拘束型」
「対話型」など六つに分類した上で、作業時間に応じて心身への負
担強度を示す「A」から「C」の三段階に分けた。
例えば、伝票などのデータを入力し続ける作業は「単純入力型」
、コールセンターで受注し予約を受け付ける仕事は「拘束型」で、
四時間以上なら「A」、二時間以上四時間未満は「B」、二時間未
満は「C」に分類している。この三段階は、作業管理や健康管理な
どの目安となっている。
ただ、一回の連続作業時間など数値的な制限は従来と同様で「一
時間を超えず、次の連続作業まで十―十五分の休止時間を設ける」
とするにとどまっている。
(了) 020405 0200
[2002-04-05-02:00]