(回答先: 『医者が患者をだますとき』/ 抗生物質のウソ 投稿者 H-O-H 日時 2002 年 3 月 25 日 07:13:59)
>合併症の予防はできない
は、ちょっと疑問があります。
風邪はウィルス性ですから、実際抗生物質は効きません。
しかし、咽頭の炎症を引き起こしますから、粘膜充血・血管拡張・発熱は起き、細菌2次感染を起こしやすくなります。
それは、扁桃腺・気管支・肺へと及べば、むしろ抗生物質が根本療法になります。=風邪薬のみでは根本治療にならない。
しかも、最近まで、風邪の根本治療はなかったのです。
そういう意味で、風邪に抗生物質は予防的治療と考えています。
なら、炎症が扁桃や気管支に及んだら抗生物質を投与するのが本来の形です。
扁桃はすぐ診察できますが、気管支、肺炎は診断が遅れ、治療が手遅れになると、重傷化します。
なら早期発見出来るように、外来に日参してもらえばいいのですが、毎日、半日も来院できる暇な人はあまりいません。しかも、風邪を押して来るのはつらいだろうと思うのです。
更に、2次感染を起こされると、抗生物質を投与してないと、聞かない薬をもらったと感じられ、「ヤブ」の烙印・地域社会での風評被害にあいます。医療ミスとしても、個人医は賠償金だけでつぶれてしまいます。体の弱った年寄りなんかは、2次感染が致命傷になる場合もあります。
2次感染を起こす率>副作用率という考えです。
多少、抗生物質を出す分、薬価が取れますが、そういう理由もあると思います。
ただ、薬を出すにも規制が厳しく、何十人の外来で抗生物質を出すたびいちいち病名をカルテに書かされます。時に自腹を切らされる。しかも、副作用発言のリスクも医者は負う。
勤務医ならば、改めて抗生物質なんか追加で本当は出したくないのです。=自分のもうけにならない。
いろんな考えがあろうかと思いますが、薬漬けにして儲けてやろうという理由からだけでは無いと思います。