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Re: 秋新作氏は批判対象のX氏“未満”レベルの「エコノミスト」 投稿者 あっしら 日時 2002 年 5 月 09 日 15:21:46:

(回答先: 自称宗家?そう言えばエコノミストも自称でOK?(MSNマネー) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 5 月 09 日 11:46:21)

タイトルに期待して読んだが、秋新作氏の批判レベルのひどさにがっかりだ。


>専門知識が必要とされる政策論争になると、発言内容がとたんにおかしくなる。例え
>ば金融政策に関するX氏の意見をみてみよう。
>(1)不良債権処理が進まないのは地価下落が止まらないからだ。
>(2)日本銀行は、資産インフレに誘導するため1〜3%のインフレ率目標を設定
>(インフレターゲット)をすべきだ。
>(3)目標インフレ率に到達するまでは、無制限にマネーの量を増やすべきだ。
>(4)インフレ率が3%を超えるようなら、今度はマネーの量を減らすべきだ。
>(5)こうした考え方に同調しない今の日銀総裁を即刻更迭すべきだ。
>X氏の意見のおかしさについては、多くのエコノミストが指摘しているのを読者もご
>存知だと思う。ここでは紙面の都合もあるので、X氏の発言内容の中でも、X氏の思
>い込み、もしくは思考の短絡さが目立つ3点について指摘する。

>X氏が言うように不良債権問題を解決する目的で地価下落を止めるのであれば、
>「1〜3%程度のインフレ率」では十分でない。なぜなら地価下落スピードは、未だ
>に5%を超えているからだ。「資産インフレ率は実物インフレ率よりも高まる傾向に
>あるから、インフレ率は3%未満で十分だ」とX氏は述べるかもしれない。しかし、
>土地等の資産価格が実物価格を上回って上昇する状態は、バブルそのものである。バ
>ブルが永続しないことを我々はよく知っている。X氏は、自分の言っている事が過去
>の過ちの繰り返しだという事実に気づいていないのかもしれない。

別に資産価格を上昇させて不良債権問題を解決すべきだとは考えていないが、秋氏の批判はX氏への反論になっていない。

「なぜなら地価下落スピードは、未だに5%を超えているからだ」と主張しているが、消費者物価ベースのデフレ率は1%であるのに、地価が5%を超えて下落している現実をきちんと説明しなければ、「「1〜3%程度のインフレ率」では十分でない」という根拠にはならないだろう。
なぜなら、86年以降のバブル形成期もそうであったように、地価の変動と一般物価の変動は軌を一にするものではないからである。

そして、後半部分は、「インフレ率は3%未満で十分だ」とX氏は述べるかもしれないとX氏の思いを勝手に忖度し、「X氏は、自分の言っている事が過去の過ちの繰り返しだという事実に気づいていないのかもしれない」とまとめている。

「土地等の資産価格が実物価格を上回って上昇する状態は、バブルそのもの」と言う論理は一応認めるが、それであれば、1960年以後の「高度成長期」から1990年まで日本経済はバブルを形成し続けたことになるのだから、それに対するきちんとした原因解明と批判が必要である。(「土地神話」や「株式神話」が長期にわたってなぜ通用してきたかを考えることは、今後の経済政策立案でも大きなポイントになる)


>仮にX氏の政策が採用され、その後物価が急上昇した場合、(4)のやり方で物価上
>昇率が落ち着く可能性は非常に低い。X氏が指摘するように、物価とマネーの量は
>「中長期」には比例するかもしれないが、「短期」では比例しない。思惑買いという
>一種のバブルが土地等の資産ではなく財・サービスといった実物で発生するからだ。
>今、アルゼンチンは、インフレ抑制を狙ってマネーの量を収縮させているが、インフ
>レ上昇率は未だ二桁である。そもそも、公共投資の削減すらできない日本で、日本銀
>行は簡単にマネーの量を減らすことができる、とX氏は本気で思っているのだろうか。
採るべき政策論議で、「公共投資の削減すらできない日本で、日本銀行は簡単にマネーの量を減らすことができる、とX氏は本気で思っているのだろうか」と言ってしまったらお終いでしょう。それこそ、「・・・すらできない日本が、破綻しないで済むはずがない」と言うことで結論が出てしまう。

「物価とマネーの量は「中長期」には比例するかもしれないが、「短期」では比例しない」という主張だけでは、X氏に対する批判にはならないだろう。

アルゼンチンは、金融システムの停止で経済活動全般が停滞(供給不足)に陥ったことと、ペソが3分の1まで下落したことで輸入物価が急上昇したことのダブル要因で10%以上の物価上昇が続いている。


>(5)については呆れるしかない。日本銀行の金融政策が日銀総裁一人で決定されて
>いるのなら、日本の為替は円高に向かって突き進んでいるはず。分かりやすい立場に
>いる人間に攻撃を加えることで自らの正当性を高めようとする姿勢は、善玉プロレス
>ラーが悪玉レスラーに攻撃を加える図式と全く同じである。金融政策はプロレスでは
>ない。

「日銀総裁一人で決定されているのなら、日本の為替は円高に向かって突き進んでいるはず」という根拠を示す必要がある。
X氏の「こうした考え方に同調しない今の日銀総裁を即刻更迭すべきだ」を勝手に忖度すれば、「こうした考え方に同調しない今の日銀総裁をはじめとする理事や政策委員を即刻更迭し、こうした考え方に同調する体制をつくれ」ということでしょう。


>こうした指摘は、経済に関する専門知識を多少有していれば誰でもできることだ。し
>かし全ての方が経済について詳しいわけではないので、中にはX氏のような論理性に
>欠ける意見でも、うっかりすると騙されてしまうこともある。

X氏のほうが具体的な政策を提示している分“良心的”と言える。
秋氏の論には、何一つ具体的な政策の提示がない。人を批判するときは、対案も合わせてぶつけるべきであろう。

私も気をつけたいと思っているが、“人のふり見て我が身を...”を秋氏にも贈りたい。
国難にあるときは、いろんな論をぶつけ合うことがとりわけ重要なのだから、論の中身で相互批判することを心掛けたいものである。


ところで、X氏って、ニュースステーションにも出ている森永氏のこと??
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※ 参考書き込み

『「不良債権問題」と金融政策』
http://www.asyura.com/sora/dispute1/msg/135.html

『「インフレターゲット論」のトンデモ』
http://www.asyura.com/sora/dispute1/msg/148.html

『デフレの論理と「資産デフレ」罪悪説の問題点』
http://www.asyura.com/2002/bd17/msg/216.html

『「資産デフレ」の問題点と「不良債権」罪悪説』
http://www.asyura.com/2002/bd17/msg/217.html

『【大間違いの経済理論】 “超低金利政策”はデフレを悪化させる 《金利引き上げがインフレを誘発し「デフレ不況」から脱却するための一つ方法》』
http://www.asyura.com/sora/dispute1/msg/302.html

『Re: 2chの「★阿修羅♪ 国家破産について語ろう」』
http://www.asyura.com/sora/dispute1/msg/336.html


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