(回答先: 経済観測:手抜き[毎日新聞4月25日] ( 2002-04-25-23:23 ) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 4 月 25 日 23:15:50)
>活路は減税財源が不要な贈与税の非課税限度引き上げだ(消費増に結びつかない相続
>税減税は後回しだ)。それとストック不況対策として、土地関連税の軽減だ。その減
>税財源はたばこ税の大増税で賄うこと(景気への悪影響なし)。今国会中に関連法案
>を通して実行に移さないと間に合いませんぞ。小泉さん、よーく聞けよ。(大三)
● 贈与税の非課税限度引き上げ
減税財源が不要だと説明は、「実態として払われていないから」という意味なら理解できるが、110万円の非課税限度を引き上げたとしても、たいした消費増には結びつかない。
資産家は、妻・子供たち・孫たちなどに宝石・ブランド衣料・旅行・小遣いなどのかたちで贈与している。もちろん、そのような贈与は申告されることもない。
発覚する贈与は自動車や不動産である。
自動車は、資産家名義で登録して、本来の贈与対象者に好きなように使わせればいい済むことである。
自民党などが不動産購入目的の贈与税非課税を訴えっているのは、残された課税逃れの障壁である不動産購入が資産デフレを押しとどめてくれるのではと考えているからである。
(不動産も、名義を資産家のものにして、一時的に住民登録を移せば居住用として税の軽減もはかれるから税逃れができるものだが、それをおおっぴらにできるようにしたいということだろう)
● ストック不況対策としての土地関連税の軽減
土地取引や土地保有の税を軽減することが、どういう「ストック不況対策」になるのかきちんと説明して欲しい。
土地取引や土地保有の税を軽減して、不動産の供給が増えたら、地価や不動産価格は下落することになる。
銀行が担保物件を塩漬けにしたり外資に個別交渉で投げ売りしたりしているのは、一般市場で売りに出すと、不動産価格全体が下落し、他の担保物件の価格までが下落すると考えているからである。
土地取引や土地保有の税の軽減は、不動産価格を下落させるか、不動産所有者の税負担を軽減させ税収を減らするだけの政策である。
※ ヘビースモーカーだが、「たばこ税の大増税」には文句は言わない(笑)
しかし、この不況下で「たばこ税の大増税」が、“たばこ税の増収”になるかどうかは微妙だ。
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[必要な不況対策]
● 「低中所得者減税」と「高所得者増税」がセットの所得税制変更
低中所得者は消費税で実質増税になる標準家庭で年収800万円未満
● 「雇用」と「投資」を促進する法人税制の導入
雇用(支払い給与増加)や設備投資を行うと現在よりも減税になる税制
逆に、利益のみを拡大した企業は増税になる。
● 株価と地価の下支え政策の放棄
株式も土地(不動産)も、経済論理で想定される価格を下回れば自然に反転する。
このような動きを政策的に抑え込んでいることで、「デフレ不況」が長引いている。 愚かな政策のために、年金資金や郵便貯金など公的な資金を株式市場に投入して、それらを目減りさせている。
● 公定歩合の緩やかな引き上げ
低金利=物価上昇促進・高金利=物価上昇抑制という誤った経済理論から脱却し、公定歩合を2%程度まで徐々に引き上げることで、「低中所得者減税」と相俟ってデフレ状況を解消できる。
● 工場の海外移転を抑える
国難にある日本国の首相は、経済団体や大手企業に土下座してでも、工場の海外移転を抑えなければならない。
これからの政策を“時限”でもいいから実施すべきである。
これからの政策が銀行に及ぼす打撃に対しては、用意している15兆円+α(5兆円くらい)を利用する。これは、基本的に、金利上昇に伴う国債価格下落問題に対応する。
このまま「デフレ不況」が続けば、新たな「不良債権」が発生し、不況脱出の切り札と考えられている「不良債権処理」もモグラ叩きになるだけで、銀行を救済し続ければ、20兆円以上の税金が使われることになる。
「不良債権処理」は、景気の回復によって「通常債権」になるというのが、唯一かつ最も効率的な処理方法である。