(回答先: みずほシステム障害、行政の責任はないのか?(MSNマネー) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 4 月 26 日 14:55:15)
「口座振替数がピークを迎える4月30日を乗り切った段階で『安全宣言』を出すことになるだろう」
みずほフィナンシャルグループ首脳がこう言ってみせる。
4月25日、みずほグループには給与振込を中心とするトータルで約300万件にのぼる口座振替作業が集中していたが、一部でトラブルは発生したものの、とりあえず大規模なシステム障害についてはその発生を押さえ込むことができた、と見ていいだろう。
「だからといって、各種決済が最も集中する“30日”が安全だということにはなりません。現段階に至るも、『やってみなくてはわからない』というのが実情なのです」(みずほグループ経営中枢幹部)
こうしたコメントからも明らかなように現在、みずほグループが行っている作業は、単なる“応急措置”にすぎないというのが実情だ。
「現時点で現場では、各企業から持ち込まれた振替データを個別にデータ振分システムに読み込ませる、という作業を行っています。持ち込まれたデータの中には、“振分システム”が読み込むことができないものもあるのです。そうしたデータについては、その都度“加工”して、何とか読み込ませているのです」(みずほグループ経営中枢幹部)
話が前後するが、この“振分システム”を通過したデータは、旧3行それぞれの勘定系システムにリモート転送され、この段階で実際の口座引き落とし処理が実行されることになる。
つまり簡単に言ってしまえば、みずほグループで発生した大規模なシステムトラブルは、口座振替をするにあたってその入口段階−つまり実際に口座振替作業を行う前の段階で発生したトラブル、ということにほかならない。
「とはいえ、システムそのものは、各企業から持ち込まれた多種、多様なデータを読み込めることを前提に構築されたものなのです。システム設計上、どこに問題があってデータが読み込めなくなっているのか、現段階では全くその理由が明らかになっていないのです」(みずほグループ経営中枢幹部)
まさに、みずほグループは“原因不明のシステムトラブル”とでもいうべき恐るべき状況に陥っているのである。
「しかも問題なのは、この“振分システム”に障害が発生した際に作動する予定だったリカバリーシステムが全くワークしていないということなのです。システム担当者は、『あまりにも大量にエラーが発生したため、リカバリーシステムをもってしてもフォローできなくなった』と言っていますが、全く噴飯モノです。行内では、それでは何のためのリカバリーシステムなのだ、という声が挙がっていますが、それも当然といえるでしょう」(みずほグループ経営中枢幹部)
こうした状況の中、みずほグループには今月30日の段階で口座振替で900万件、給与振込で300万件とトータルで1200万件にものぼる大量の“決済”が集中することになる。
「果たしてそれらをすべてクリアすることができるかどうか、その時になってみないとわからない、というのが実際のところなのです」(冒頭のみずほグループ首脳)
しかし、ここで指摘しておきたいのは、“4月30日”を乗り切ったからといって、問題がすべて解決されたわけではない、という点だ。
その根本的な原因が究明されない限り、みずほグループにおける“システム障害リスク”は完全に払拭(ふっしょく)されないだろう。
みずほグループの試練はまだまだ続く。