米格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は12日、金融庁の特別検査について「必要な一歩として一定の評価はするが、検査の限界が浮き彫りになり、課題も残した」との見解を発表、大手銀行に対する格付けの方向性を示すアウトルックを、格下げの可能性のある「ネガティブ」に据え置いた。
問題点として(1)不良債権処理額の増加分は1兆9000億円となったが、その1・5倍は必要。検査で踏み込んだ指摘を行ったか不透明(2)大口融資先が対象だが、今後は中小企業の不良債権処理額が増加する見込み(3)業績不振企業が再建計画を進められず、追加負担を求める可能性がある−−などを挙げた。