みずほフィナンシャルグループの平成14年3月期決算の連結最終損益が、当初の7200億円の赤字から約1兆円の赤字に拡大する見通しとなった。金融庁の特別検査により、年間の不良債権処理額が中間決算当時の予想より大きく膨らみ、約2兆2500億円となることが最大の原因。多大な不良債権という積年の課題に加え、今年度に入ってからはシステムにもトラブルを抱え、混乱を来しているみずほグループ。11日には、口座からの引き落とし漏れが新たに見つかり、引き落とし処理の遅れ件数は前日の約15万件から40万件にまで増加した。
みずほグループでは中間決算発表時、不良債権処理額を1兆300億円の予想から2兆円に積み増していた。
だが、金融庁の特別検査をうけ、大口融資先への貸し出し債権の査定を厳格化。さらに、デフレ不況の長期化により、経営が悪化した中小企業への貸し倒れ引当金を積み増すなどした。この結果、不良債権処理額は、中間期見通しより、2500億円増え、2兆2500億円に。
このほか、株価低迷で保有株式の含み損も増加した。
みずほグループは不良債権処理のほか、システムトラブルという問題も抱えている。みずほホールディングスは11日、みずほ銀の口座振替の遅れについて、未処理件数が同日夜の時点で約40万件にまで増加したと発表。4月初旬の未処理分に加え、約150万件の処理が集中した10日の分の一部が持ち越されたためで、前日よりも25万件増えた。新たな未処理案件が大量に見つかったことで、正常化は来週以降にずれ込む可能性が大きくなった。