「米国やイスラエルの侵略に対抗し、自らを守るときこそ石油の武器を使わねば意味がない」――イラク支配政党バース党は1日、声明でアラブ諸国に親イスラエル諸国への輸出禁止など原油を「武器」として使うよう呼びかけた。
1973年の第1次石油危機ではアラブ産油国の禁輸措置が世界経済に大打撃を与えたが、サウジアラビアなどは消費国の原油離れを加速しかねない政治利用には反対の立場を明確にしている。
イラクに対しては大量破壊兵器の開発疑惑から米軍による本格攻撃説もくすぶる。イラクは国際世論の目をパレスチナの衝突に向ける一方、原油の輸出停止をちらつかせて米国に揺さぶりをかける狙いのようだ。(バーレーン=岐部秀光)