(回答先: 景気に下げ止まり感 3月の日銀短観横ばい〔朝日新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 4 月 01 日 10:33:01)
日銀が1日発表した企業短期経済観測調査(短観、3月調査)によると、業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」とした企業の割合を引いた業況判断指数(DI)は、景気の目安となる大企業製造業で、前回(昨年12月)と同じマイナス38だった。
米国など海外経済の復調傾向や、情報技術(IT)関連を中心とする在庫調整の進展などで、輸出主導の景気回復の兆しが見え始めていることを反映。これまで4期続いた企業景況感の悪化にも、ようやく歯止めがかかった形だ。
しかし、今回初めて発表された2002年度の設備投資計画は、前年度比マイナス8.4%と、3月時点の調査としては低水準になるなど、景気の自律的な回復には、ほど遠いといえそうだ。
大企業非製造業のDIも前回と同じマイナス22。中小企業は製造業で前回を2ポイント下回るマイナス51、非製造業で3ポイント下回るマイナス42。6月までの先行きを予測したDIは、大企業製造業でマイナス27だった。
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今回の短観で日銀は、大企業の景況感悪化に歯止めがかかりつつあることを示した。だが輸出環境改善など企業の生産サイドに広がる明るさが、国内の設備投資や個人消費の増加に結びつきにくく、本格的な回復展望は依然見えないのが実情だ。
大企業製造業の景況感最悪期は景気の「谷」に近く、先行き改善見込みなど考慮すると景気が下げ止まりつつあるとの見方も出ている。ただ循環的に景気が底入れに向かっても、その後の回復力は脆弱(ぜいじゃく)だ。