政府と連合、日経連による「政労使ワークシェアリング検討会議」の第2回会合が29日夜、都内で開かれ、労働時間の短縮によって仕事を分かち合うワークシェアリングのあり方に関する基本的な考え方で合意した。
合意は、目指すべきワークシェアリングのあり方として、<1>厳しい雇用情勢を受け今後2―3年で取り組むべき「緊急対応型」<2>多様な働き方を可能にしライフスタイルの見直しにつながる「多様就業型」――の2種類を提示し、労使による具体化に向けた協議や、政府が支援することの必要性を強調する内容となった。
しかし、昨年12月の検討会議では、「3月に制度導入で大枠合意する」ことで一致したにもかかわらず、具体策はほとんど先送りされた。特にパートなど短時間労働者と正社員との賃金格差やサービス残業の見直し、短時間労働者への厚生年金の適用拡大など、導入の障害となっている課題をめぐり、政労使3者の意見調整は進まなかった。
会合後に記者会見した坂口厚労相は、連合が求めていた政府の財政支援について、「緊急対応型ワークシェアリングについて何ができるか、政府としても傍観は許されない」と述べ、今国会中にも雇用調整助成金のあり方を見直すなど何らかの支援策をまとめたいとの考えを示した。