雪印乳業:
再建策は事実上の企業解体 不祥事で大きな代償払う
雪印乳業が28日発表した再建策は事実上の企業解体と言える。消費者から失った信頼を回復するには、本体への出資受け入れや、各事業の分離を通じ、全国農業協同組合連合会(全農)など外部企業の力を借りるしかなかった。食中毒事件、子会社の牛肉産地偽装事件の2度にわたる不祥事で、雪印は大きな代償を払うことになった。
⇒事の発端は毎日新聞とTBSの報道
西紘平・雪印乳業社長は会見で「最適なパートナーとの提携で緩やかな企業連合を形成する」と説明した。しかし、アイスクリームや育児品など分離する各事業の雪印の出資比率は低くなる見通しだ。本体も全農が筆頭株主となり、伊藤忠商事なども含めた新規株主が51%以上の出資比率を占める。雪印は本体・グループとも、実態として経営の主導権を提携先に委ねる。
⇒育児品事業はネスレへ
雪印がここまで追い込まれたのは、自社ブランドでは商品が以前のように売れなくなったためだ。子会社の雪印食品の食肉産地偽装事件が発覚して以来、雪印は東京・大阪で消費者アンケートを続けてきた。雪印ブランドへの支持率は2月初めには50%あったが、同月末には35%に下落。直近でも38%にとどまっているという。
雪印は乳製品や牛乳関連商品で、全国に生産・物流の拠点を張り巡らし、他に追随を許さない力を持つ。その機能を維持し雇用を極力守るには、提携先に主導権を渡して信用力、ブランドを借り存続を図る道しか残されていなかった。
⇒その強力な営業網を切り崩すための策略じゃないかと疑いたくなる書き方だ
本体に残るバター、チーズや、分離する牛乳の商品にどれだけスノーブランドが残るかは現時点では不明確だ。提携先とともに検討する方針だが、西社長は「社名、シンボルマークについてはこだわらない」と述べた。
この捨て身の策でも雪印乳業が再生できるかどうかは不透明だ。03年度に黒字回復を果すとは言うが、そこまでの収益改善計画や資本増強の具体策は先送りされた。再建の道筋は依然として不明確なままだ。
「酪農家保護」の観点から「外資反対」などと農水省、自民党農水族議員の横やりが入り、提携の枠組みづくりに手間取った。その分、消費者に向けた信頼回復の取り組みの説明が後手に回った印象も否めない。雪印が示した「解体的出直し」の青写真が、消費者の信頼回復につながるかどうかは不透明だ。 【三島健二】
⇒これからも農水族議員さんたちに様々な横槍がはいると思われるが、ぜひこの難局を乗り切ってほしい。
[毎日新聞3月28日] ( 2002-03-28-21:04 )
(毎日売国しております)