償還が危ぶまれているアルゼンチン政府発行の円建て国債のうち、26日に期日を迎えた元本615億円分の利払いが行われなかった。アルゼンチンは昨年末に対外債務の返済停止を発表したが、日本の投資家向けに販売された国債の利払いがストップしたのは、これが初めてだ。6月に期日を迎える残りの利払いも遅れる公算が強い。
アルゼンチン大使館によると、円建て国債は総額1915億円が販売され、日本国内の3万を超える個人や財団法人、企業が購入した。購入した企業は、3月期決算で損失処理を迫られる可能性が高い。
アルゼンチン政府と投資家の窓口となっている東京三菱銀行、新生銀行、富士銀行の3行は当面、同国政府と国際通貨基金(IMF)との交渉の推移を見守る方針だ。ただ、日本国内の投資家が債権者集会を開くなどしてて全額償還を求める決議をした場合、3行はアルゼンチンに償還を求めることも検討する。