政府は中国との間で、対外的な資金繰りが悪化した時などに資金を融通しあう通貨スワップ(交換)協定を結ぶ。27日に来日する中国人民銀行(中央銀行に相当)の戴相龍行長(総裁)と速水優日銀総裁が28日に正式に調印する。外貨準備高1位と2位の日本と中国が実際に外貨を融通し合う可能性は小さいが、域内の通貨安定に向けた日中の協調関係の象徴とする考えだ。
協定によると、中国が国際収支の急速な悪化などに直面したときに日本は中国に対し、人民元と引きかえに円を供給する。逆に中国は必要時には日本に対して円と交換で人民元を融通する。融資の限度額は、互いに30億ドル相当。
通貨スワップ協定は、1997年のアジア通貨危機を教訓に、東南アジア諸国連合(ASEAN)と日本、中国、韓国の間で検討を進めてきた。二国間のスワップ協定をアジア各国間に張り巡らせることで域内通貨の安定を目指すもので、日本はすでに韓国、マレーシア、タイ、フィリピンと協定を結んでいる。中国にとっては、タイに続き日本が2番目の協定締結国。