(回答先: 「中国は日本からの借金で水爆」=石原都知事 (時事通信) 投稿者 sanetomi 日時 2002 年 3 月 23 日 20:46:08)
その報道のポイントは、「中国」を特に名指しするために持ち出した「水爆」でしょう。
中国の水爆実験は過去にありましたが、ICBM弾頭用途等に大規模に実戦配備した話は知りません。
ですからそれは演技でなく、やはり北東アジアの結束に心底反対の立場でしょうか。
何と言っても黙示録にある「2億の軍隊」の候補として一番可能性が高いのは中国ですからね。
もしここで「原爆」と言ってしまったら、当然アフガン情勢に関連する2ヶ国へのODAを再考せざるを得なくなる理屈になってしまいますので、日本の宗主国様の利益にも反します。
ODAの意義を一言で言い切るのはとても無理でしょうが、くだらない政治家の「利権」のみならず、全体として日本の宗主国様の意向に刃向かってはならないという掟を否定しにくいと思います。
現在の日本のODA対象国すべてに二重基準なしに「先進国標準の独善的倫理」を一律厳密適用したら、その多くに何らかの難癖をつける事ができますから、みなODA不適格に該当するでしょう。何よりも、ODA対象国の内情に深く関与した「日本の宗主国様」の行状をも、分け隔てなく勘案せざるを得ない事になってしまいます。
対中国ODAの場合は「戦争賠償の意味で」とも聞き及びます。
また、借款には開発投資の意義もあります。
10年位前になりますが、日本の対中国戦争賠償額を中国の研究者が計算したところ、総額でたったの「32兆円になった」という報道があったかと思います。
日本の宗主国様や多国籍投機資本に貢がされてきた1000兆円を遙かに超える額に比べれば、
対中ODA総額は、ほんの僅かでもあります。
一部の数字だけを抽出、比較して、大小と善悪を論じるだけでは、その背後の事情も見えないと思いますが、1000兆円を超える富の喪失こそ、何の恩恵をもたらしたというのでしょう?
全否定とか全肯定とか断定的に言い切るつもりはありませんが、
では逆にODAを仮に大幅減額したら、中国の軍備増強の強い抑制要因になりますか?
中国の共産主義政府を持ち出してなじる「反共」の見地においても、自由経済化を支援する事になりますから、日本の宗主国様の目下の経済利益にも反しないでしょう。
ついでに、日本の国産国防技術の高度化、充実化の口実に利用すればいいじゃないですか。
海洋関係などで細かいことはいろいろあるでしょうが、わが日本は、中国との軍事面を含む実質的な信頼醸成に向けた、非常に重要な段階に入りました。
近隣諸国との信頼醸成の進展が、結局は日本の孤立化を抑止し、アジア安全保障を含めた国益に寄与するのではないでしょうか。