米総合金融大手、シティ・グループのワイル最高経営責任者(CEO)は20日、東京都内のホテルで開いた日本参入 100周年記念の記者会見で、日本の不良債権問題について「銀行は不良債権をきちんと認識(して処理)、機関投資家が購入できるようにすべき」と述べ、不良債権への投資機会拡大が早期解決のカギになるとの見方を示した。
ワイル会長は不良債権問題で、過去に同様の問題を抱えた米国がRTC(整理信託公社)を活用して処理を加速させた例を引き合いに出した。
「規制緩和の促進を」-ルービン元財務長官
一方、同グループ経営執行委会長のルービン元米財務長官は、米国では金融機関の業態の垣根を低くする規制緩和が奏効したとの見方に対し、「規制緩和はマーケットの必要に応じて実施してきた。日本も同様で、適切な立法、法改正により垣根を低くする」ことにより、競争促進などが収益力の向上につながる可能性を指摘した。
また、会見に同席したモーン副会長は「企業の統合などによってオーバーキャパシティは改善する」と指摘。不良債権問題の処理が供給過剰業種の効率化などにつながるとの認識を示し、グループの日興ソロモン・スミス・バーニー証券などを通じた日本企業の買収・合併(M&A)事業などでの収益機会の広がりにも期待を寄せた。