(回答先: ソフトバンクが安い、旧日債銀の株式の売却報道でビジネスモデル破綻懸念が強まる(テクノバーン) 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 3 月 19 日 23:00:43)
あおぞら銀株売却で「孫帝国」崩壊 「銀行経営など、どだい無理だった」株ZAKZAK
須田慎一郎の金融コンフィデンシャル
あおぞら銀株売却で「孫帝国」崩壊
「銀行経営など、どだい無理だった」と総スカン
「そんな話は全く聞いていない−」
柳沢伯夫金融担当相は、ソフトバンクのあおぞら銀行株売却の一件についてたずねられた際、不快感もあらわにこう言い放ったという。
3月19日付の日本経済新聞朝刊が「あおぞら銀株の大半 ソフトバンク売却へ 有利子負債を圧縮 米サーベラス、買収に名乗り」というタイトルが付けられた記事を掲載した。
その記事のサワリの部分を以下に紹介する。
「ソフトバンクは18日、5割弱保有しているあおぞら銀行(旧日本債券信用銀行)の株式の大半を売却する方針を固め、同社に次ぐ主要株主のオリックス、東京海上火災保険と協議に入った。グループ全体で4900億円弱に上る有利子負債の圧縮が狙い−以下略−」
この第一報に接した大手都銀首脳がこう断じてみせる。
「仮に報道が事実とするならば、若干逆説的な言い方になるが我々既存の銀行業界にとってみれば今回の一件は、『歓迎すべきこと−』ということになるだろう。ソフトバンクや孫正義氏といった、本来銀行経営に手を染めるべきではない会社や人物が、日債銀を引き受けることなどどだい無理な相談だったのです」
ソフトバンクを中核とする企業連合(ソフトバンクオリックス、東京海上)が一時国有化の状態に置かれていた旧日本債券信用銀行(1998年12月経営破綻)を買収したのは、2000年9月のことだった。
旧日債銀は2001年1月、あおぞら銀行に社名変更するが、新銀行には前述の3社に加えて国内外102社の金融機関が資本参加したのである。
あおぞら銀行の大株主は以下の通り(カッコ内は出資比率)。
ソフトバンク(48.88%)、オリックス(14.99%)、東京海上(14.99%)、サーベラス(5.01%)、パシフィックキャピタルグループ(4.01%)、プロパティーアセットマネジメントインク(2.50%)
「ソフトバンクの株売却が実現するとなると金融庁としては完全にメンツをつぶされた格好となるだろう。そもそも旧日債銀を3社連合に事業譲渡するにあたっては、“長期保有”が条件として付けられていたことは間違いない。ところが、買収が実現してから2年もたたないうちに売却したとあっては、完全にその“約束”が反故にされたことになる。責任問題が浮上してくることは避けられないだろう」(前述の大手都銀首脳)
逆に言えば、それだけソフトバンクの資金繰りが切迫している、ということに他ならない。
「ソフトバンクが発行する社債の格付けはS&P社やムーディーズ社に比べても“甘い”とされる格付投資情報センター(R&I)からも『BBプラス』というジャンク債扱いされているのが実情です。こうしたことからソフトバンクは事実上、市場から直接資金を調達することは不可能な状態に追い込まれているのが実情なのです。このためソフトバンクは水面下で密かにある大手銀行にアプローチしたのですが、『銀行を保有している企業に融資をすることは難しい』とされてしまったのです」(大手都銀役員)
前述の大手都銀首脳が言う。
「今回の一件で、ソフトバンクは経済界から総スカンを食うことは間違いない。まともな企業経営者ならもはや孫社長など誰も相手にしないだろう」
ITバブルが崩壊した後、「孫帝国」はあっけなく崩壊してしまったといえるだろう。
2002/3/20