来日中のルービン元米財務長官は20日午後、小泉純一郎首相を表敬訪問した。首相は新規国債発行額の30兆円に抑制する方針を維持する考えを強調。ルービン氏もこれ以上の国債増発は長期金利の上昇などを招くと指摘し、国債増発は問題があるとの認識で一致した。
ルービン氏は首相との会談で日本の金融機関の不良債権問題に全世界の注目が集まっているとし、日本の不良債権処理が遅れているとの見解を表明。さらに、金融政策についても日銀がインフレターゲティング(インフレ目標策)を導入するべきだと主張した。これに対し、首相は金融庁が融資先企業の株価など市場の評価を反映させる特別検査を銀行に対して実施するなど不良債権処理を進めていることを強調。日銀の金融政策についてもインフレ目標策は導入していないものの、消費者物価指数を目安とした量的緩和を導入するなど金融緩和を続けていることを説明した。