柳沢伯夫金融担当相は19日の閣議後の記者会見で、経営不振の企業を大手銀行が不良債権に分類しているかどうか調べる特別検査の結果について、個別行ごとでなく、集計値で公表する考えを表明した。金融庁は4月中旬に特別検査の結果を公表する見通し。検査によって自己資本比率などが変わる場合には、各行が自主的に発表するよう促したことも明かした。
金融相は「結果が集計ベースで発表されると、国民の関心は各行がどうなのかということに高まる。それにできるだけ早く応えてほしい」と述べた。各行が自己資本比率などの指標を発表する時期については「決算短信の発表前、3月31日以降できるだけ早く」と強調した。
4月のペイオフ(定期預金などの払戻保証額を元本1000万円とその利息までとする措置)解禁をめぐっては「4月1日には健全性の基準に照らして健全な金融機関をそろえたいとの基本方針で仕事をしている。だいたいそういうことが実現できる見通しが立ちつつある段階だ」と語り、銀行健全化を重ねて強調した。