塩川正十郎財務相は19日の参院財政金融委員会で、政府の巨額負債問題に関連し、終戦直後の1946年の預金封鎖・デノミ・新円切り替えをあらためて検討しているのかとの質問に、「その当時と現在とは経済構造、様相が変わっているので、できないと思う」と述べた。民主党の峰崎直樹氏への答弁。
財務相は、当時と現在との違いについて、「条件が根本的に違うところが1つある」と述べたうえで、当時は「ずっとインフレだった」と指摘。「現在はデフレで、ちょっと難しい」との見解を示した。
一方、峰崎氏は、2月20日の柳沢伯夫金融相と、自民党の大原一三衆院議員との会談内容について質問。金融相が会談で「正直に金融危機宣言をすると、日本経済の底が抜けてしまう」などと述べたとする大原氏の発言が雑誌に紹介されているとただした。
金融相は、「金融危機があるときは果断にやると、(自民)党内で言っておいてくださいと軽口をたたいた」と述べたうえで、「そこに書いてあることは言っていないのではないか。2人の話のテーマから出てこなかったのではないか。まったく思ってもいないこと」と語った。
さらに峰崎氏が、「(柳沢)大臣が(金融機関への公的資本注入に)かたくななのは、(すぐに危機対応可能な予算)15兆円じゃ足りないからではないか」とただした。金融相は、「まったく違います」と述べた。