4月1日のペイオフ凍結解除を控え、大詰めを迎えていた金融機関の破たん処理は15日、東京都の暁信用組合が金融庁に破たん処理を申請、認定されたことで終了した。金融庁が明らかにしたもので、同庁は「これで心配な金融機関はなくなった」(幹部)としている。ただ、金融当局は今後も金融システムの安定化に向けて個別金融機関の経営体力を強化するため、再編を促す方針だ。
一方、金融庁から早期是正措置を発動されていたされた福島銀行が同日、増資の完了を発表。同行の02年3月期の自己資本比率は健全基準を上回る5%半ばとなる見通しとなった。関東、つくば両銀行の合併も踏まえ、柳沢伯夫金融担当相は同日の会見で「ペイオフを控えた銀行の体制整備は出来上がった」との認識を示した。
ペイオフ実施直後に金融機関が破たんすると預金者に混乱を招きかねないため、金融庁は「4月1日に店を開ける金融機関はすべて健全にする」(柳沢伯夫金融担当相)との方針を打ち出し、体力の弱い金融機関の再編を主導してきた。淘汰が本格化した昨年10月以降に破たんしたのは、第2地銀の石川、中部両銀行のほか13信用金庫、30信用組合に上った。 【木村旬】