(回答先: 「流通ウオッチ」〜大変革が起きる!米ウォルマート進出の真実[PAXNet] 2002/03/15 12:38:00 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 3 月 15 日 13:28:55)
世界最大の小売業、米ウォルマートが、西友を事実上買収し、ついに日本に進出する。今後本格的な店舗展開も視野に入れており、ITを駆使した効率経営や世界規模の商品調達力を武器に、「低価格」戦争を仕掛けてくることは確実だ。迎え撃つのは、イオン、イトーヨーカ堂の国内2強に、経営再建中のダイエーを加えた3陣営。ウォルマートは既に、ヨーカ堂にも協力を申し入れているとみられる。デフレ不況の下、スーパー各社は熾烈な価格戦争を強いられており、巨大外資の進出で競争が激化することが予想され、スーパーはさらなる再編へと進む“大戦国時代”に突入した。
ウォルマートは年間売上高29兆円、従業員130万人超を抱える世界最大の流通企業。メーカーとの直接取引により中間コストを抑え、徹底した低価格路線で成長してきた。そのウォルマートが目を付けていたのが、世界2位の規模を持つ日本市場。米市場での成長余力にも限りがみられ、ドイツ、英国など海外に次の成長の場を求めており、慎重に日本への進出方法を探っていた。
「ウォルマートという世界ブランドも、日本では知名度が低い。小売世界第2位の仏カルフールが、直接出店で苦戦しているのを見て、提携という形を選んだ。マイカルなどにも触手を伸ばしたが、首都圏に店舗が集中している西友を最終的な相手とした」(業界関係者)。
巨大な“黒船”を迎え撃つ側の日本のスーパー各社も、着々と準備を進めていた。日本市場には既に、カルフールなど世界的な流通企業が続々と進出しており、ウォルマートの上陸は「時間の問題」(同)と見られていたからだ。
イオンは昨年以降、マイカルや寿屋など経営破綻したスーパーの支援に乗り出してきたが、これは「国内市場に圧倒的な店舗網を築いておくため」(岡田元也社長)だ。ウォルマート進出に、店舗数や売上高など、規模で対抗する戦略をとる。これに対しイトーヨーカ堂は、「質重視で経営効率をさらに上げる」(鈴木敏文社長)と経営の質で対抗する構えだ。
長引くデフレ不況の下、スーパー各社は低価格競争を強いられている。ウォルマートが圧倒的な資金力、商品調達力でさらに低価格攻勢をかけてくれば、消耗戦に突入するのは確実。そうなれば、さらなる合併・淘汰が進むのは必至と見られ、国内2強に、経営再建中のダイエーを巻き込んだ4大陣営が一段の再編に向かう可能性もある。