昭和20年8月15日の夜(あるいは8・16かもしれません)大蔵省ではキャリアだけが全員地下室に集められ今後の方策を検討されました。終戦となったので今後はもう戦時国債は買ってくれる人はいネいだろう。南方の戦地では戦闘状態は無くなったが、日本の兵隊が補給が途絶えた状態で,腹をすかせて帰国を待っている。日本の商船隊はほとんど壊滅、油も無い、さてどうするか?
この答えが日銀の輪転機をフル回転させてお札を印刷して、このお金で将兵を帰国させると言う事でした。この為進駐軍に、占領による軍票は発行しないでほしい、その代わり必要なだけの「円」を差し上げます。この大蔵省の全面降伏を受けたGHQは、軍票を発行はしませんでしたが、自分達が必要なだけの資金を大蔵省に提供させたのです。
S20.8.15の終戦の時の「米」1俵60kgの値段は¥18.80だった。それが、S20.12.31.には1俵¥60.− と3ケ月半で3.2倍のインフレになりました。その1年後S21.12.31には¥220.− 更にその1年後のS22.12.31.には¥700.−と言うペースでした。
今の若い方にはピンとこないかも知れませんが、当時の兵隊(上等兵)の月給は¥15.−です。帝国陸軍が無くなって、復員手当として全員に金¥100.−と汽車の切符の購入券1枚(1回限り、行き先はどこまででも良い)を渡されて故郷に帰ったのです。 この費用は全部、日銀の輪転機を回して作られたものです。