松下電器産業は購入資材の支払いを月末ごとの現金払いから90日後の支払いに変える。毎月の現金払いは創業者の松下幸之助氏以来の伝統だが、販売低迷やリストラで手元資金が減少しており、資金状況を改善する。今回の見直しで2002年度に約1500億円の資金をねん出、当面の資金繰りに余裕を持たせる。
購入資材の新しい支払い方法は、総合電機や大手材料メーカーなど松下本体の仕入れ先約40社を対象に4月から始める。順次、関係会社の仕入れ先などへ対象を広げる。中堅・中小企業との取引は従来通り毎月末の現金払いを継続する。
松下は潤沢な金融資産に象徴される強固な財務基盤を背景に、買い入れ債務は月末現金払いを原則としてきた。1990年代以降はエレクトロニクス製品の販売低迷やリストラに伴い資金流出が継続。有利子負債を差し引いたネットの金融資産は2000年度でピーク時の半分の5000億円程度に減少、今年度は1000億円程度まで減る見通しだ。