15日の閣議後の記者会見で、金融検査の厳格化を求める首相指示や金融機関への公的資金注入を巡る発言が閣僚から相次いだ。
金融検査を所管する柳沢伯夫金融担当相は、大口債務者に着目した特別検査を通じて「世の中が見る目、特にマーケットがその企業を見る目と検査結果をできるだけかい離のないようにしたい」と信頼性の回復に意欲を示した。
通常の金融検査は、決算の結果が適切かどうかを検証する。一方、現在立ち入り中の特別検査は 2001年12月末を基準とする銀行の自己査定そのものを調べるため、3月期決算に結果を反映できる。金融相は「リアルタイムで、タイムラグをなくしたところでの検査だから、検査結果は効果として前倒しの格好になる」と利点を強調した。
ただ同相は、公的資金投入の可能性に関しては「現在のところ、そういう事態には至らないのではない か」との慎重な見通しを改めて示した。