(回答先: 佐藤工の地元富山、県や銀行など対応に追われる〔日本経済新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 3 月 03 日 01:53:35)
準大手ゼネコン(総合建設会社)の佐藤工業が会社更生法申請に踏み切る見通しになった。これで昨年10月からの金融庁による特別検査を受けた02年3月期の不良債権処理はほぼヤマを越えるが、長引く景気後退は新たな不良債権を生み続けており、小泉内閣が目指す不良債権問題の終結への道筋は見えない。昨年12月の青木建設破たんに続く大型倒産が、市場の評価を得られるかどうかも不透明だ。公的資金投入論が再び頭をもたげてくる可能性もある。 【木村旬】
不良債権に分類されていなかったマイカルが昨年9月に破たんしたのをきっかけに、市場は「隠れ不良債権」への疑念を深め、金融庁は特別検査の実施に追い込まれた。検査を受けて、問題企業の代表格だったダイエーやフジタなどの処理策が相次いで固まった。
しかし、青木建設の破たんでは、法的整理直後に主力のあさひ銀行の株価が急落、ダイエーの再建策も「4200億円(後に1000億円積み増し)の金融支援では問題先送り」との批判が高まった。日経平均株価はバブル後最安値を更新し、「2、3月危機」が現実になりかねない事態に、処理を主導した金融庁幹部は「どうすればいいのか」と頭を抱えた。
ただ、今回の佐藤工の破たんでは、政府内に楽観的な雰囲気が漂う。金融庁の空売り規制が効いて株価が持ち直している中で、佐藤工の破たんは3月末までの不良債権処理に一定の打ち止め感を出し、「マイカルや青木の時のような『不良債権はどれだけあるのか』といった不安感はなくなる」と、金融当局が読んでいるためだ。
金融庁は特別検査の結果を4月半ばまでに公表する方針で、「特別検査を厳格に実施しても、銀行は02年3月期に資本不足にならない」として、何とか公的資金の投入を回避したい考えだ。
しかし、市場が特別検査の結果を評価しなければ、株価が再び下落することも予想される。さらに、今後の経済動向次第では、当局が「基本的に自力でやっていける」と判断している企業が、脱落する可能性も否定できない。そうなれば、来年度入り以降、公的資金論議に一気に火がつくことも予想される。
[毎日新聞3月2日] ( 2002-03-02-23:38 )