佐藤工業が法的整理の手続きに入る方針が明らかになった2日、富山市の同社本店や富山県庁、多額の債権を抱える北陸銀行は終日、情報収集などの対応に追われた。佐藤工業の本店はこの日は土曜休業だったが、早朝から社員が出社、駆けつける取引先も多かった。
中沖豊知事をはじめ、県の幹部はこの日午前、急きょ県庁に集まり、公共事業や下請け企業への影響などについて協議。県が2001年度に佐藤工業に発注した公共工事の金額は13億6000万円。県は計22億3000万円の支払いを残しているが、「全体の2-3%で、年度末で工事の大半が終了しており、大きな影響はない」(土木部)という。また、県内に数百社にのぼるとみられる下請け企業対策については緊急融資などを検討している。
北陸銀も早朝から、担当役員など幹部が富山市の同銀本店に出勤し、一勧からの情報収集や対応策の協議に追われた。直前まで一勧に対して佐藤工への支援継続を要請していただけに、行内の衝撃は大きい。北陸銀の佐藤工向けの融資額は600億円前後。