(回答先: みずほ、佐藤工業の支援断念・自主再建困難と判断〔日本経済新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 3 月 02 日 11:38:18)
経営再建中の準大手ゼネコンの佐藤工業(本店・富山市、吉田弘社長、東証1部上場)が、会社更生法などでの法的整理に向け、主取引銀行の第一勧業銀行と最終的な調整に入った。佐藤工業は公共事業の削減などで国内の建設投資が減少するなか、受注が先細るなど将来の経営見通しが立たないとみて再建を断念した。法的整理に入れば、上場ゼネコンでは昨年12月に青木建設が民事再生法の適用を申請して以来となる。
佐藤工業は99年に、第一勧業銀行など取引金融機関から、総額1100億円の債務免除(借金の棒引き)を受けることで合意。合理化を含めた再建計画を打ち出し、安値受注の解消なども図ってきた。しかし、01年9月中間決算は、連結ベースで23億円の経常赤字で、主力の建築工事の受注高が前年同期よりも2割減少するなど、経営環境は上向かなかった。
三井建設と住友建設が今年1月に統合を発表したことなどもあり、第一勧銀は、他社との経営統合による生き残りも検討した模様だ。だが、将来的な経営像を含めて、最終的に自力再建は難しいと判断した。第一勧銀が主取引銀行のゼネコンにはハザマなどもあるが、同行も「傘下」ゼネコンの選別が必要と判断したとみられる。
佐藤工業はバブル期前後に、都市再開発事業や宅地造成事業、土地取得などを積極的に進めた。だが、国内外で投資したリゾート事業など不動産投資が失敗し、有利子負債や債務保証が膨らみ、経営難に陥っていた。
青木の倒産後は、青木と同じ「債務免除ゼネコン」であることもあり、信用不安が増していた。だが、ここ1カ月は株価はやや上昇し、経営陣も自力での再建を強調していた。
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<佐藤工業>
1862年に、佐藤助九郎氏が藩命により富山で「佐藤組」を作ったのが起源。31年に会社組織に改めた。鉄道、トンネル工事などを得意としてきた。資本金は約193億円。01年3月期の連結売上高は4720億円で、経常利益は143億円、当期利益は48億円。従業員は4509人。昨年9月末現在の連結有利子負債は3180億円。(11:04)