(回答先: 旧東ドイツ ハレ市 デーマーク 投稿者 パーマン2号 日時 2002 年 2 月 25 日 15:17:20)
オーストリアで行われた、未来のお金のシステムを考える国際会議の様子が紹介される。さまざまな立場の専門家が一堂に会して行われた会議は、エンデが望んだ会議への布石である。この中でも、ゲゼル理論のヴェルグルにおける実施例が議題の一つになった。それに参加していた、カリフォルニア大学バークレー校のベルナール・リエター(Bernard Lietaer)は、以下のように語る。
「私は、問題点の中心は、金融システムにあると信じます。1971年、ニクソン大統領がドルを金本位制から切り離したときから、私たちは歴史的に前例のない時代を生きているのです。現実的な経済に対して、安定させる何の保証もない通貨の時代が始まり、その不安定な通貨が世界を混乱させているのです。今日の不況は、1930年よりもひどいかも知れません。当時の不況は、アメリカやヨーロッパに限定されていました。われわれが今持っている世界規模の経済システムこそが問題なのです。異なる通貨システムは、異なるタイプの関係性を築くと思います。私たちが常識だと思って使用している通貨は、国や企業に、競争を強いる性格を持っています。金融システムが競争を前提として機能しているのです。もし私が、あなたと協力関係になりたかったら、実際にそれを築くような別の通貨が必要なのです。目的に応じて、道具は使い分けるべきです。ですから私たちには、複数のお金が必要なのです。経済の未来は、私たちがどんな関係を持ちたいかで決まります。世界中で、何千も使われ始めた地域通貨は。その関係性を回復するための一つの新しい道具なのです」
ミヒャエル・エンデ「今日のシステムの犠牲者は、第三世界の人々と、自然に他なりません。このシステムが自ら機能するために、今後も、それらの人々と自然は、容赦なく搾取され続けるでしょう。このシステムは、消費し、成長し続けないと機能しないのですから。成長は無から来るのではなく、どこかがその犠牲になっているのです。歴史に学ぶものなら誰でもわかるように、理性が人を動かさない場合には、実際の出来事が、それを行うのです。私が作家としてこの点でできることは、子孫たちが同じ過ちを冒さないように考えたり、新たな観念を生み出すことなのです。そうすれば、この社会は否応なく変わるでしょう。世界は、必ずしも滅亡するわけではありません。しかし、人類はこの先、何百年も忘れないような後遺症を受けることになるでしょうでしょう。人々はお金を変えられないと考えていますが、そうではありません。お金は変えられます。人間が作ったのですから」