(回答先: 健全性に問題あれば公的資金注入を・経財相〔日本経済新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 2 月 23 日 21:15:05)
竹中平蔵経済財政担当相は23日、愛知県内の講演と記者会見で銀行の不良債権問題に関連して、現在既に資本注入されている公的資金分などを除いた「正味の自己資本比率」で銀行の健全性を判断すべきだ、との考えを表明した。経財相は、健全化の一手段として公的資金による資本の再注入を挙げた上で、不良債権問題の解決へ向けた政府の公的関与が必要と強調した。
大手行を中心とする国際業務を営む銀行は、国際決済銀行(BIS)の基準で8%以上の自己資本比率が求められている。ただ大手行の多くは、2度にわたる公的資金の注入や、将来の税金の繰り戻し分(税効果会計)で資本が「底上げ」されているのが実態だ。
竹中経財相の発言は、それらを除いた正味の健全性確保を求めたもので、不良債権問題に一石を投じることになりそうだ。
竹中経財相は、27日に取りまとめる政府のデフレ総合対策で金融庁による特別検査の厳格化を打ち出すとともに、その結果監督当局による関与が必要になる可能性を指摘。その上で「BIS基準は重要だが、同時に銀行の自己資本の質についても検討しなければならない」と述べた。具体的には銀行財務の税効果会計や公的資金によるこれまでの資本注入を挙げ、「資本の質を含めて多様な角度から検討し、銀行の健全性に公的関与の責任を持たねばならない」と強調した。金融庁は、大手行の自己資本比率は不良債権処理や株価の下落を反映させても現在10%程度あり、健全性に問題はないと主張している。しかし日銀の速水優総裁は、税効果を除いた米国基準で算出すれば「5、6%になる」として、正味の自己資本は現状でも不足していると指摘している。