竹中平蔵経済財政担当相は23日、愛知県内で講演と記者会見を開き、「金融庁の特別検査を決算に反映させた結果、健全性に問題が出た銀行には、公的資金注入も含めた手立てが必要になる」と述べた。銀行経営の健全性は自己資本比率にとらわれず、過去に注入した公的資金を除いた実力を考慮するなど、多角的に判断するべきだとの考えを示した。
竹中経財相は「銀行の不良債権処理が進まなければ、日銀の金融緩和策も浸透せず、デフレから脱却できない」と強調。「特別検査の結果は、銀行の2002年3月期決算にしっかり反映させる」と述べた。一方、不良債権処理を加速するには「公的資金の注入以外にも関与が必要」として、整理回収機構(RCC)が不良債権を買い取る時の価格の査定方法を緩和することや、中小企業向けに新たな融資制度を創設することなどを挙げた。