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☆ZAKZAKあたりは、税金投入ばんばんしたらモラルハザード、それを避ければデフレ対策効果無しって書き立てるんだろうね
11月09日 20:10
産業再生機構:
債権買い取り、客観的な選別指針策定がポイント
不良債権処理の加速に伴って来春創設される「産業再生機構」の特命担当相に谷垣禎一国家公安委員長が就任、小泉純一郎首相を本部長とする産業再生・雇用対策戦略本部が12日始動する。同機構は再建可能な企業向けの貸し出し債権を銀行から買い取るが、企業選別のルールづくりや機構のトップ人事など課題も多い。産業再生機構の成否のポイントを検証した。 【三島健二、瀬尾忠義】
内閣府に8日、来年4月の機構創設に向けた設立準備室が発足した。内閣府や財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁などからの30〜40人体制で設置法案などの策定に当たる。
再生機構は、ゼネコンや流通など「要管理先債権」のうち、再建可能と判断した企業向けの債権を買い取る。再生可能かどうかの判断基準である選別指針は、産業再生・雇用対策戦略本部が年内に策定する。来春発足する再生機構内に置かれる産業再生委員会が、指針に基づいて債権買い取りの是非を判断、買い取り価格も決定する。企業の生死を事実上、左右する重要な役割を担うだけに、塩川正十郎財務相は同委員会を「えんま大王」と指摘している。
政府部内では3〜4人の委員で構成する案が浮上しているが、「官僚出身者や金融関係者は排除すべきだ」との意見が強い一方、民間企業の出身者が企業選別をすることを疑問視する声もあり、人選が難航する可能性もある。
過剰債務企業の債権買い取りに当たって、安易な企業救済に政府が手を貸すことにならないよう、客観的な指針を策定できるかが最大の焦点。
現行の産業再生法は、「再建計画終了時の債務残高がキャッシュフロー(現金収支)ベースの収益の10倍以内」を適用条件にしており、指針もこれをたたき台に、まず業種横断的な基本指針を策定する。ただ、業種、業態によって収益力には大差があり、実際の買い取りに当たっては一律に適用せず、業種の特性に応じた個別基準も設定する見通しだ。
とはいえ、個別企業ごとに体力は千差万別で、「再生が可能か否かをどこで線引きするか、線引きの確かさをどう説明するか」(経済産業省)、困難さがつきまとう。技術力やノウハウ、地域や取引先企業への影響力など、数値では測れない企業の実力をどう評価するかも課題になる。
逆に、基準が甘くなれば、「退場」すべき経営不振企業の延命に手を貸し、本来の目的である産業再生、供給過剰状態の解消には程遠い状態に陥る危険性もある。
再生機構は、原則として非主力行が保有する貸し出し債権買い取り、主力行以外の債権を束ねて、主力行と企業再生策を検討することになる。
これまでは、主力行と非主力行の間で貸し出し先企業に対する姿勢にばらつきが大きすぎて、再建計画策定が難航したり、計画を作っても実現に疑問が残るケースもあった。しかし、再生機構が大債権者になることで「主力行に圧力をかけて現実的な再建計画を策定することが可能になる」(政府筋)ほか、収益部門に特化させるなど貸し出し先企業のリストラにも大なたを振るう環境が整う。企業再建に当たる実働部隊として、銀行から数百人規模で人材を受け入れることも検討されている。
不良債権処理の加速とともに企業・産業再生を強力に推進しているという政府の明確な意思を示すためにも、機構は「短期間で数例の企業再生を成功させる必要がある」(経済産業省幹部)。
企業再生の陣頭指揮を取る機構の社長も極めて重要だ。「再生機構は、日本経済がデフレを克服し、再生できるかのカギを握る。社長は日銀総裁と同じか、それ以上の重いポストになる」(財務省筋)との見方も強い。
経営再建の実績がある企業経営者、経済団体の元首脳らの名前が取りざたされているが、有力経済人が就任する公算が大きい。
[毎日新聞11月9日] ( 2002-11-09-20:13 )