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http://www.tokyo-np.co.jp/00/thatu/20021104/mng_____thatu___000.shtml
住みたい チンタイ(東京新聞より)
住宅ローンに縛られたくないし、移動の自由もほしい。だから一生賃貸住宅で−。そう思ってはみても、賃貸物件は家賃が高いし数も少ない。やむを得ず「持ち家派」になる人は多いはずだ。だが、これまで質量ともに分譲に劣っていた賃貸住宅市場が、活発化する兆しが出ている。そう遠くない将来、「賃貸の時代」がやってくる!?
■貸したい
玄関をガラス張りにして自分の作品などを展示し、共用廊下を歩く人とのコミュニケーション空間にする「シースルー・エントランス」。ふろや洗面所を窓際に置いたガラス張りの「サンルーム型水まわり」。
玄関を独立させ、趣味や子ども部屋に使える「アネックスルーム(離れ)」−。今月五日まで一次募集を受け付けている都市公団の賃貸住宅「東雲キャナルコートCODAN」=東京都江東区東雲。著名建築家のチームが、大胆な発想で新しい住宅像を打ち出している。賃料は地元の相場並みに抑えた。「都心部では最大規模の『デザイナーズ賃貸住宅』です。申し込みの出足は好調です」と公団土地有効利用事業本部・竹中成行課長代理。
流通が少なかった家族向け賃貸住宅に、個性的な物件が出始めている。
足立区の東武伊勢崎線西新井駅から徒歩約五分。欧米風のレンガ造りの家並みがあった。不動産業のグランビル(豊島区)の賃貸住宅「ヨーロピアンシャレー」だ。二階分使えるメゾネット形式。ファミリー向けにフランチャイズ方式で全国展開し、三千世帯分以上を供給している。
矢口一弘社長は「一戸建て感覚のおしゃれなデザインが支持を
得ている。借金で家を買うより、優良な賃貸に住みたいという人は、確実に増えている」と力説する。
■借りたい
国の住宅着工統計によると、貸家の新築着工数は、住宅市場全体が縮小傾向にある中にあって、順調な伸びを見せている。賃貸住宅経営はペイオフ(金融機関が破たんしたさい、預金などの払い戻しを一定額にする措置)後の資産運用手段としても注目を集めており、住宅メーカーは各地で投資家向けのセミナーを相次いで開催。
借り主が居座れない「定期借家法」が二年前にできたことも、物件増の追い風になっている。
賃貸住宅ニュース社(港区)は先月中旬、渋谷区内で「実験賃貸住宅」と題したイベントを開いた。借り手のいない賃貸物件二つを、芸術家らにリフォームしてもらい、入居者を募集している。古い賃貸物件を借り手にリフォームして住んでもらう動きが出始めているため、それを後押ししようという試みだ。
同社社長室の井尻慶輔さんは「賃貸住宅に対する『質的欲求』
は高まっている。ライフスタイルなどの提案性や、借り手にどれだけリフォームの自由を与えるかなどの点が、これから必要になってくる。家主さんの意識改革を促していきたい」と話している。
文・石井敬
■「賃貸推奨派」増田悦佐さん
「東京圏これから伸びる街」(講談社)などの著書がある「賃貸推奨派」のHSBC証券シニアアナリスト・増田悦佐さん(52)に話を聞いた。
「持ち家」を推奨する側からは「住宅ローンは払い終えることができるが、賃料は死ぬまで払い続けなくてはいけない」という理屈が出されるが、これは公平な比較ではない。終身雇用と年功序列賃金が崩れた今、「ローンを完済できる」という前提自体がおかしい。
家を持つと引っ越しも転職も思いのままにはならない。
「最後に立派な家を手元に残す」ために払う犠牲をよく考えた方がいい。賃料は「行動の自由」を確保するための保険料込みだと
思えば、決して高いものではない。
現状ではファミリー層向けの物件は少ないが、そう遠くない将来、大きく伸びると思う。ペイオフ対策として、近郊農家のばく大な資産が、賃貸用住宅への投資に回るはずだ。かなりの個人投資家の資金が、ここに吸収されるだろう。
建て替えか大規模改修かで住民同士の論争が激しい「建て替え適齢期」のマンションが増えることで、「もっと簡単に住み替えられる賃貸の方がはるかに合理的だ」という考え方が強くなると思う。
確かに増田氏の著書は優れている。(バブルを煽っていた石井某とは比較にならん。)
しかし、増田氏は肝心の事をぼかして書いている。「近郊農家の莫大な資産」とは農地であり、それが宅地に転用される=賃貸住宅が増加。
これは戦前同様、地主と店子の二極化に分離するということであり、中流と言う幻想が完全に否定される事である。つまり早い時期に土地に投資した者は勝者であり、ニューカマ−はねずみ講の末端にしかなれない=貧乏を常とせよ、と言っているのと同じである。
地価が底を打つ時期が予測できるのならその時点で買いを入れたほうが良いと思うが。