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(回答先: 強制ポートフォリオの現実(年金)PプライスKキーピングOオペレーション反対 投稿者 hou 日時 2002 年 11 月 07 日 07:20:39)
公的年金、株式運用見直し論再燃、成績不振で積立金目減り。
公的年金資金を市場で運用する特殊法人「年金資金運用基金」の見直し論が再燃している。株式運用の不振で将来の年金給付に備える積立金が目減りしているためだ。株式運用の効率化へ改善策を求める意見が強まる一方で、株式投資からの撤退論も依然くすぶっている。
十月三十日、厚労相の諮問機関、社会保障審議会の年金資金運用分科会に外部から二人の有識者が招かれた。年金資金による株式運用は是か非か。賛成論の竹原均・筑波大助教授と反対論の加藤秀樹・構想日本代表が意見を表明、委員との議論は白熱した。
国が将来の年金給付に備えて持つ厚生年金、国民年金など公的年金の積立金は約百五十兆円。このうち国の財政融資資金特別会計(旧資金運用部特会)に預託した分などを除いた約二十八兆円を基金が昨年度から市場で運用している。
本来は名目で年四%、賃金変動を勘案した実質で一・五%の運用収益を確保する計画だが、株式相場下落の影響などで初年度の名目収益率(手数料控除後)はマイナス二・五九%。累積損失は三兆円超となり、将来の年金給付財源である積立金が目減りした。
特会預託金の高い利回りと賃金下落のおかげで、積立金全体の実質利回りは二・二二%となり二〇〇一年度は目標を達成できた。だが預託金残高は二〇〇八年度までにゼロになることが決まっており、積立金全額の運用が基金に委ねられる。
公的年金が債券よりリスクの高い株式に投資すべきか。株式運用の是非論は昨年十二月の特殊法人等整理合理化計画で基金の廃止論とともに浮上した。「巨額の公的年金が市場に流入すれば国の株価維持策(PKO)に利用され、年金加入者が損失を被りかねない」(西沢和彦日本総合研究所主任研究員)という疑念も背景にある。
政府は二〇〇四年の年金制度改革に合わせて結論を出すことになっているが、厚労省は先行して十月から分科会に議論を委託。委員の間では「長期的に見れば株式の方が債券より高収益率を見込める」と株式運用を支持する声が大勢。だが加藤氏は「将来に支払いを約束した年金債務が数百兆円に膨らんだ現状で株式投資のリスクをとる余裕はない」と主張した。
株式運用を続ける場合も現行体制は見直すべきだとの声も多い。竹原氏は「将来性のない企業も含め東証一部上場企業の株を全部買い上げる今の方法は非効率」と疑問を呈した。
二〇〇一年度の運用成績不振には分科会委員の間でも「なぜ市場平均(ベンチマーク)を下回ったのか」など基金の体制を問う声が出ている。株、債券など商品分野別の価格指標の変動率は投資顧問会社など運用機関の巧拙を測る目安。基金の選んだ運用機関の成績がこの指標を下回ったため、債券、株式とも相場の下落分以上に損失が膨らんだ。
厚労省が基金の運用の大枠を決め、その結果を厚労省が評価する体制についても「誰も結果責任を取らない事態にならないか」(竹内佐和子東洋大教授)と心配する声が出ている。
批判を踏まえ、厚労省は基金に受託機関の見直しと運用体制の強化をさらに進めるよう求める報告書を公表した。ただ民間の運用専門家の中途採用など三年前に提言された基金の運用強化策は現在も「検討中」のまま。特殊法人の基金が独立した組織として説明責任を果たせるのか。見つめる国民の視線は厳しい。
【表】年金資金運用基金の2001年度の運用収益率と市場平均収益率
(%、▲はマイナス)
基金 市場平均 基金の超過収益率
( ベンチマーク )
国内債券 0.87 0.95 ▲0.08
国内株式 ▲17.05 ▲16.18 ▲0.86
外国債券 6.20 8.12 ▲1.92
外国株式 3.67 4.14 ▲0.47
短期資産 0.15 0.09 0.06