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トヨタが賃上げをしないこれだけの理由 投稿者 楽観派 日時 2002 年 11 月 06 日 18:45:54:

(回答先: 実行できない政策は“有効性”もありません 投稿者 あっしら 日時 2002 年 11 月 05 日 22:27:12)

トヨタはもうけ頭ですし、例としてふさわしいと思うので、なぜトヨタは賃上げをしないかを以下に列挙します。必ずしも経済学的な要素ではなく風土論的な部分もありますが。

1)奥田にあっしらさんの主張を理解させる機会を作るのが難しい

恐らく面会を申し込んでもよくて秘書の誰かに会えるぐらいでしょう。それでは奥田に賃上げの必要性を納得させることはできません。

2)株主の反対

例え奥田が納得して賃上げを実行しようとしても株主、特に外国人株主が「それだけの余裕があるなら燃料電池の開発などトヨタの優位を高めることに金を回すかないしは配当を増やせ」となるのでは?

3)トヨタの社風+三河

トヨタは石橋を叩いても渡らないといわれる企業、そこがそっせんして賃上げをするでしょうか?しかも三河という土地は良く言えば質素堅実、悪く言えばドケチな土地ですから賃上げは社風および三河の伝統とあわない

4)労働力の買い手市場

現在、日本の労働力市場は買い手市場であり、賃上げに向かわせる市場からの圧力がない

5)日本の社会体質

日本社会は依然として出る釘を打つ体質を保持しています。他の企業が賃下げないしはサービス残業という形の実質的賃下げを行っているときに、しかも銀行問題で日本経済が大きくゆれている時にトヨタがあえて賃上げをして「トヨタさんはもうかってよろしゅうおまんな」的揶揄をあえてかぶるだろうか?

以上が私がトヨタが賃上げをしないだろうと考える理由です。

これからの分は反論ではなく基礎科学研究をどう評価するかに関する私の考えを述べるものです。

基礎科学研究には2つの面があると思います。1つは日本という国のブランド力を高めること、もう1つは基礎研究の成果を実際にビジネス化することです。

東大がやっているニュートリノの研究は前者のタイプであり、それは実利をもたらさないが、日本という国のブランド価値を高めます。この場合目的はブランド価値を高めることですから、ノーベル賞をとるための特別ロビー部隊を作り、常に日本の成果を世界にアピールすることが必要だと考えます。現在日本はそれをしていません。

ただニュートリノの研究が本当に実利がないかどうかは不明です。ある数学者がもう数十年するとリーマン数学が何兆円ビジネスになると書いていましたが、リーマン数学がビジネスになるならニュートリノもビジネスになるかもしれません。あるいはニュートリノの観測に必要な機材や論理を創造することが結果として大きな副産物を生むかもしれません。例えばユニックスというOSがAT&Tで開発された後に、それをCで書きなおしたわけですが、ユニックスがなければCという言語が生まれることもなかったかもしれません。この場合はユニックスもCも両方社会に貢献していますが。

阪大がやってるレーザー核融合は基礎研究でも性格が違います。例え彼らが核融合発電技術を確立してもそれは改善の積みかさねで革新的な部分はありませんからノーベル賞の対象にはならないでしょう。しかしこの基礎研究が成功すればそれは莫大な実利を日本にもたらします。しかもその実利は日本経済の弱点を補完してくれる性格を持っています。

基礎科学研究をきちんと評価するシステムが必要だと考えます。そうすれば今必要なのは何かもおのずとわかると思います。

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