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竹中経済財政・金融相の「金融分野緊急対応戦略プロジェクトチーム(PT)」が公表を先送りした不良債権処理加速策の中間報告案のうち、不良債権を新旧2つの勘定に分離する管理会計制度案の全容が24日、明らかになった。不良債権を銀行のバランスシート(貸借対照表)から切り離すことを目指しているが、銀行の勘定を国が事実上、強制的に管理する手法だけに金融業界の反発は必至だ。スウェーデンで、不良債権処理に同様の制度を活用して成功したケースがあるものの、巨額の不良債権を抱える日本でも有効かどうかは不透明で、制度の実効性には課題が残っている。
◆「新勘定」は新経営陣の責任◆
竹中経財・金融相が検討している管理会計制度は、不良債権に対する引き当て強化などで過小資本に陥った銀行を対象に、既存の不良債権を「旧勘定」に分離して公的資金を注入し、損失を帳消しにする。それ以外は「新勘定」に繰り入れて健全化を図ることで、銀行を立て直す内容だ。過小資本に陥った銀行の頭取を退任させるとしている。
「新勘定」に関しては、新経営陣の責任範囲とすると定めるとともに、「新勘定」の健全化に向けた経営健全化計画の金融庁への提出を求める点も明記した。
新勘定は不良債権処理の重荷がないため、貸し出し業務を中心に収益力向上が見込める。さらに、公的資金が直接、不良債権処理に使われて、一気にバランスシートから切り離すことが可能になるメリットを生かす狙いが背景にある。
◆公的監視に金融機関の批判も◆
さらに、制度案では、銀行を健全化した後、新旧の勘定を併合して銀行の再生を完了させるプロセスが想定されているのが特徴だ。
新勘定の健全化とともに、不良債権を集めた旧勘定では、注入された公的資金で不良債権を帳消しにした段階で、公的資金注入額が国民負担として確定する。その後、新旧の両勘定を併合した後、改めて経営健全化計画を金融庁に提出し、計画が達成されれば銀行の再生が完了する段取りを示している。
このほか、「新勘定」の経営健全化計画の履行を促すため、金融庁が常駐監督官を派遣する「公的監視制度」の導入も検討している。
ただ、再生プロセスの課程で過小資本行の経営を維持するためには、日本銀行による資金繰り面での支援が欠かせないと見られる。
また、公的監視制度に対しては、金融機関や金融庁の一部から「国の関与が強くなりすぎて、銀行経営の自律性を損なう」との批判も出ており、竹中PTの最終案が確定するまで激しい議論が予想される。
(10月25日03:17)